IDカード不正利用問題や安全対策工事の未完了など、年明けから失態が続く東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)で16日、最悪レベルの核セキュリティー上の不備が発覚した。原子力規制委員会による追加検査には1年以上かかる見通しで、東電が目指す柏崎刈羽の早期再稼働は当面、不可能になった。 「インパクト自体が全く違う。他のものとは全く比較不可能だ。悪い意味で東電スペシャルなのではないか」。16日夕に記者会見した規制委の更田(ふけた)豊志委員長は、事態の重さをこう強調し、東電を厳しく批判した。 今回の事案は、核セキュリティー上、4段階で3番目だったID不正問題よりも重く、4段階で最も悪質な「最悪レベル」と認定された。
ツチノコや人面犬など、日本では時折、異形の生き物が子供たちの話題となる。私が2011~15年のベルリン特派員時代、幼い娘と一緒に暮らしていたドイツでも「えたいの知れない」生き物は常に子供の人気だった。中でも根強かったのが、突然オオカミに変身する「人狼(じんろう)」、つまりオオカミ男である。 オオカミは日本では絶滅した動物だが、ドイツでは21世紀に入って数が増えており、今も存在感抜群なのだ。オオカミはなぜ増えたのか。なぜ人狼伝説は生き続けるのか。今回はオオカミを巡る話を考えてみたい。 息を吹き返した伝説 人狼を巡る奇妙なうわさが、20世紀後半のドイツで広まった。この話を調査し、08年に「モアバッハの怪物」という本を出版したのが、マインツ大学民俗学研究員のマティアス・ブルガルト氏だ。 「1988年、旧西ドイツの駐留米軍基地の近くにあるモアバッハの森に、後ろ脚で人間のように立つ巨大なオオカミ男が
第一学習社は当初、小説が掲載された「現代の国語」の教科書について、「従来の『現代文』教科書のイメージでご利用可能」と宣伝していた=東京都内で2021年9月8日、大久保昂撮影 来年度の高校1年生から新設される科目「現代の国語」の教科書の検定結果を巡り、文部科学省が揺れている。文科省は「小説の入る余地はない」と説明してきたにもかかわらず、近現代の文学作品を多数載せたある教科書会社の教科書が合格。ライバルである他社から「言っていたことと違う」との批判が高まっているのだ。騒動の背景には、そもそも文科省が進める国語改革が現場であまり歓迎されていなかった実態がある。高校の国語を巡り、いま何が起きているのか。【東京社会部/大久保昂】 教科書会社から強い批判 「到底承服しがたい」 「大変失望した」 パソコンの画面越しでも参加者の熱気が伝わるほどに議論はヒートアップし、当初予定していた1時間を15分ほどオー
クイック・ジャパン(1995年3号)に掲載された小山田圭吾さんのインタビュー記事=東京都千代田区で2021年7月15日、北山夏帆撮影 東京オリンピックの開会式の楽曲を担当する小山田圭吾さんが過去に雑誌のインタビューで長年にわたって同級生をいじめていたと告白していたことを巡り、15日に「いじめ自慢」としてツイッターでトレンド入りするなど「炎上」状態になった。組織委員会が14日に開会式の楽曲を小山田さんが担当すると発表していた。 炎上の発端となったのは、小山田さんが楽曲を担当することを疑問視するツイート。ツイートが根拠としているのは、「ロッキング・オン・ジャパン」(1994年1月号)と「クイック・ジャパン」(95年3号)に掲載されたインタビュー記事2本。…
新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、米ファイザー製が不足していることを受け、大阪市の松井一郎市長は1日、予約が済んでいる1回目の接種を近く停止する可能性があると表明した。対象は、かかりつけ医で実施する個別接種と、各区の施設などで実施する集団接種。新規の予約受け付けも停止する方針で、国から供給計…
ライトアップされる五輪マーク。後方の国立競技場は夜の闇に落ちたままだ=東京都新宿区で2021年1月18日、梅村直承撮影 東京オリンピック・パラリンピックに参加するため日本に入国した外国の選手や関係者のうち、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、ウガンダ選手団の2人のほかに4人いることが判明した。内閣官房が毎日新聞の取材に明らかにした。 内閣官房によると、入国後に感染が確認された選手や関係者は、2月にフランス1人、4月にエジプト1人、5月にスリランカ1人、6月にガーナ1人、ウガンダ2人。多くは来日直後の空港検疫で確認されたが、スリランカ1人は入国5日目、ウガンダ2人のうち1人も入国5日目…
「国際オリンピック委員会(IOC)が掲げる対応は時代遅れ」。東京オリンピック・パラリンピックの開幕が目前に迫る中で、新型コロナウイルス対策のずさんぶりを批判する声が海外の科学者から噴出している。その一人、元イリノイ大学シカゴ校教授で産業衛生士のリサ・ブロッソー博士が毎日新聞のインタビューに応じ、「エアロゾル感染を防ぐ視点が欠如している」と指摘した。【大野友嘉子/デジタル報道センター】 エアロゾル感染の恐れを無視している ――5月に米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」でIOCの新型コロナウイルス対策を批判していました。 ◆IOCはこれまで何度も、時代遅れの科学に基づいた判断を打ち出してきました。例えば、新型コロナは空気中に漂うウイルスを含んだ微粒子「エアロゾル」によって広がる可能性があるのですが、いまだにIOCは認識していません。選手や大会関係者らに向けてまとめたプレ
衆院厚生労働委員会で答弁する新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=国会内で2021年6月2日午後4時5分、竹内幹撮影 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は2日の衆院厚生労働委員会に出席し、東京オリンピック開催について、「今の状況で普通は(開催は)ないが、やるということなら、開催規模をできるだけ小さくし、管理体制をできるだけ強化するのが主催する人の義務だ」と主張。その上で、「こういう状況の中でいったい何のためにやるのか目的が明らかになっていない」と述べ、開催する場合は感染予防に向けた政府による丁寧な説明が必要だとの認識を示した。 尾身氏は「感染リスクを最小化することはオーガナイザー(開催者)の責任。人々の協力を得られるかが非常に重要な観点だ」と指摘。その上で「なぜやるのかが明確になって初めて市民はそれならこの特別な状況を乗り越えよう、協力しようという気になる。国が
「これが、あの優しかったお姉さんなのでしょうか」。やつれ切った姉ウィシュマ・サンダマリさん(享年33)の遺体を、泣きながら見つめていた。名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で3月6日に亡くなったウィシュマさん。母国スリランカから来日した2人の妹たちが5月16日、市内の葬儀場で死後に初めて対面した。妹で次女のワユミさん(28)は「いまだに死因も分からない。収容中を記録したビデオを見たい」と絞り出すように話した。【和田浩明/デジタル報道センター】 「本当のこと隠されている」遺体と対面の遺族 毎日新聞は遺族のワユミさん、三女のポールニマさん(26)らの許可を得て、対面の様子を取材した。 2メートルほどの長さの白いひつぎの中に、灰色の服を着て目を閉じたウィシュマさんが静かに横たわっていた。ポールニマさんが知人女性の腕にすがるようにして傍らに立ち、姉の様子を確かめた。 「歯や足を見ることはできますか」
東京オリンピック聖火リレーの初日。聖火リレー隊列の前方でスポンサーグッズを沿道の観覧者に手渡すスタッフ(左)=福島県南相馬市で2021年3月25日午後4時42分、手塚耕一郎撮影 米国内で東京オリンピックの放送権を持つNBCは25日、「リレーの聖火を消すべきだ」と題する寄稿を電子版に掲載した。「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のさなか、聖火リレーは五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している」とした。 寄稿したのは、米五輪代表にも選ばれたことがある元プロサッカー選手で米パシフィック大のジュールズ・ボイコフ教授(政治学)。 ボイコフ氏は、聖火リレーの出発地に福島を選んだことは「この儀式の偽善や害悪、ばかばかしさを際立たせただけでなく、五輪に向けて突き進む日本の問題の縮図でもある」と主張。「もとは『復興五輪』をうたっていたが、現地の多くの人は復興の遅れを理由に五輪を非難
検察庁法改正案に反対するツイッター上のデモをきっかけに、著名人の「政治的発言」が注目を集めた。数々の映画やドラマに出演している俳優の古舘寛治さん(52)もその一人だ。しかも古舘さんの場合、発言は「心の声」として「だだ漏れ」状態。芸能界での政治的発言がタブー視される風潮を、古舘さんの「心の声」と共に考えたくなった。 「心の声が漏れてるっていう設定でしゃべらせてもらうと……。ややこしくてすみません」。5月中旬、同改正案への抗議をテーマにしたネット番組の冒頭、古舘さんが頭をかきながら、ばつの悪そうな顔で話すと、他の出演者たちからは笑いが漏れた。真面目な話をしてもどこか滑稽(こっけい)、絶妙なおかしみを感じさせるのが古舘さんだ。 最近、滝藤賢一さんとダブル主演した深夜ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」では堅物な無職男性をコミカルに演じ、役にはまっていた。「いだてん」「逃げるは恥だが役に立つ」「リーガル
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