図1aのように、2つの異種金属を接合(すなわち溶接または半田付け)して2つの接点を形成すると、ループによって生成される電圧は2つの接点の間の温度差の関数になります。この現象はゼーベック効果として知られており、一般的には熱エネルギーが電気エネルギーに変換されるプロセスとして説明されます。ゼーベック効果はペルチェ効果の反対に相当します。ペルチェ効果では、熱電クーラーなどのアプリケーションに見られるように、電気エネルギーが熱エネルギーに変換されます。図1aは、出力電圧の測定値(VOUT)が測温(熱)接点の電圧と基準(冷)接点の電圧の差であることを示しています。VHとVCは2つの接点間の温度差によって生じるため、VOUTもこの温度差の関数になります。電圧の差と温度差の関係を示す倍率αを、ゼーベック係数と呼びます。 図1a. 熱電対の2つの接点間の温度差によって生成されるループ電圧は、ゼーベック効果
代表的な半金属であるビスマスの結晶 バンド理論における半金属(英語: semimetal)とは、伝導帯の下部と価電子帯の上部がフェルミ準位をまたいでわずかに重なり合ったバンド構造を有する物質のことである。このエネルギーバンドの重なりは、結晶構造の歪みや結晶の層の間にはたらく相互作用などによって形成される。代表的な半金属としてビスマスが挙げられ、テルル化水銀のような化合物も含まれる。半金属は電荷のキャリアーが少なく、その有効質量は小さく移動度は大きい。また、熱伝導率が低い、状態密度を有する、誘電率が大きい、g因子が高い、反磁性磁化率が高いなどの特性を有している。元素の分類における半金属とは同じ名称であるが異なる概念である。 半金属の典型例としてはビスマス、ヒ素、アンチモン、グラファイトなどが挙げられ、特にビスマスにおいて詳細な研究がおこなわれている[1]。バンド理論における半金属は物質の特性
半金属(はんきんぞく、英: metalloid)とは、元素の分類において金属と非金属の中間の性質を示す物質のことである。その定義は曖昧であり、決定的な定義や分類基準は存在せず、様々な方法によって分類が試みられている。 一般的にはホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルルの6元素が半金属とされ、セレン、ポロニウム、アスタチンの3元素がしばしば加えられる。炭素やリンなどは通常半金属とはされないものの、その同素体にはグラファイトや黒リンのような半金属性を有しているものが存在する。これらの半金属元素は周期表上において、おおよそホウ素からポロニウムまでを繋ぐライン上に現れるが、その境界線の引き方にもまた多くの議論がある。 半金属に特徴的な性質としては脆性、半導体性、金属光沢、酸化物の示す両性などが挙げられ、半金属のイオン化エネルギーや電気陰性度の値は一定の範囲に収まる。半金属の単体もしく
ダイヤモンド構造を持つα-スズ(灰色スズ)は、バンドギャップがほとんどない半金属であることが知られています。今回は、ecaljを用いてα-スズの計算し、LDA計算でもGW近似計算でも半金属的なバンド構造を持つことを確認しました。 ダイヤモンド構造のα-スズ 私たちがスズと聞いて、日常的に思い浮かべるのは、β-スズと呼ばれる正方晶の結晶で、金属です。ここで周期表を眺めてみると、スズは14族に属する元素です。14族元素を上から順に見てみると、炭素・シリコン・ゲルマニウムといずれもダイヤモンド構造をとる半導体です(炭素の最安定構造はグラファイトですが)。スズもまた、13℃以下の温度では、ダイヤモンド構造をとり、α-スズ(灰色スズ)と呼ばれ、通常のβ-スズ(白色スズ)と区別されます。
東京大学 東京大学 物性研究所 発表のポイント ゼロギャップ(注1)半導体において、約180という非常に大きな比誘電率(注2)を初めて観測しました。 強いと予測されていた電子間の相互作用(注3)の大きさは、電子の運動エネルギーに比べて2桁程度も大きいことを実証しました。 ゼロギャップ半導体において、電子間の相互作用の役割を理解することで、さらに新しい物理現象の発見が期待されます。 発表概要: 東京大学物性研究所の中辻 知教授、リップマー ミック准教授らの研究グループは、米国ジョンズ・ホプキンス大学との共同研究で、ゼロギャップ半導体として知られるイリジウム酸化物Pr2Ir2O7をテラヘルツ(注4)分光を用いて調べたところ、5ケルビン(マイナス268℃)という低温にて、これまで他のゼロギャップ半導体で知られていた値の数十倍以上高い約180という非常に大きな比誘電率を観測し、電子間の相互作用も非
アドミタンスは、交流回路における電流と電圧の比です。インピーダンスは、交流回路における電圧と電流の比です。 アドミタンスとインピーダンスは、逆数の関係にあります。アドミタンスは、交流回路の電流の流れやすさを表し、インピーダンスは、交流回路の電流の流れにくさを表します。 この記事は、アドミタンスを構成する要素やアドミタンスの求め方について、わかりやすく解説します。 アドミタンスの記号や単位 アドミタンスの記号は \(Y\) 、単位は [S](ジーメンス)です。インピーダンスの記号は \(Z\) 、単位は [Ω](オーム)を使います。 アドミタンスとインピーダンスのイメージを、図にすると次のようになります。
■黎明期:界面の電荷蓄積分布と電位分布のモデルの提案 (1874~1942) 「整流作用の発見とダイオードの発明」 の項で触れた1874年のFerdinand Braun(独)による整流性の発見後長い間、その整流性の原因は不明のままであった。 鉱石検波器として利用されはしたが、比較的短期間で真空管に取って代わられ、時代ニーズはすぐに消滅した。 そのような時代に理論モデルの発表が相次いだ。 詳細は、年表にまとめてあるが、解説すると、黎明期の理論展開は次のような経緯になる。 物質内部から外への電子の飛び出しにくさを表す仕事関数(work function)の値の違いにより、2種類の物質の接触で接触電位差(Contact Potential Difference)が生じることは、Voltaが接触電位差を発見し、その後1898年にKelvin卿が仕事関数測定装置を発明して (Phil. Mag.,
シリコンの金属光沢は、金属のような自由電子に由来するものではありません。 ・シリコンは可視光全域で、価電子帯から伝導帯への励起による吸収を起こす ・可視域で高い屈折率を示すため、高い反射率を持つ この組み合わせにより、金属のような光沢を持つのです。 これらの現象は、キャリア凍結領域でも起こりますので、液体ヘリウム 温度以下でも金属光沢はそのままです。可視光に対して透明になる ということはありえません。 4K程度であれば、ガラスデュワーでも簡単に達成できますので、 観察は容易です。私はもう少しいいクライオスタットで、 超流動ヘリウムによりもう少し低い温度で実験をし、シリコン基板を 目視したことがありますが、当然見かけは変化しません。 常温状態での間接吸収端が1100nm程度、液体ヘリウム温度程度での 間接吸収端は1050~60nm程度ですから、YAGの波長(1064nm)前後 では、常温で不
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く