光の圧力の概念は近代物理学でとても重要な働きをしますが、それを理解するのはなかなか難しい。できるだけ解りやすく説明します。 電磁気学の公式はどの単位系を用いるかにより係数が変化しますが、ここではすべて高校物理で使用するMKSA有理化単位系(SI単位系)で記述します。電磁気学の単位系については別稿「電磁気学の単位系が難しいわけ」を御覧下さい。 1.光の圧力の簡単な説明 音波と違って、光(電磁波)は真空中でも存在できる。しかし、物体が存在しない場所の輻射(光)の圧力を直接測定する事はできない。光の圧力とは、光が物体に当たったとき物体に働く力として初めて測定できる。[物体に働く圧力から出発して電磁波そのものが持つ応力を何もない空間まで拡張できる。マクスウェルはその様にして真空中の電磁場に応力を定義した。3.では、このマクスウェルの応力を用いて同じ事柄を証明する。] マクスウェルの理論により光は電