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長編小説に関するoukastudioのブックマーク (1)

  • つばさ 第二部 - 第九章 第九節

    厚い雲が重くたれ込み、やや湿り気を帯びた風が鎧をまとった兵士たちをなぶっていく。 ノイシュタット侯軍の陣では、準備を終えた騎士たちがそれぞれの持ち場で警戒を怠ることなく、主からの指令を待った。 フェリクスは幕舎から出ると、憂な顔で天を仰いだ。 「急に天気が怪しくなってきたな」 「怪しいのが天気だけならいいのですが」 背後に控えるユーグが、わざとらしくため息をついた。 「確かに敵軍は怪しい。相も変わらず暴徒と正規兵が混在しているようだ」 「いえ、ほとんどが正規兵と考えてよいかと。こちらを攪乱するためにあえて庶民の格好をしているのでしょう」 「ご苦労なことだ」 フェリクスはさして興味もない様子であったが、ふと背後の不遜な騎士を振り返った。 「怪しいといえば、敵方だけではないだろう?」 「と言いますと?」 「アーデも十分怪しいと思うがな」 突然のクリティカルな指摘にぎょっとした。 動揺を覆い隠

    つばさ 第二部 - 第九章 第九節
    oukastudio
    oukastudio 2017/11/01
     厚い雲が重くたれ込み、やや湿り気を帯びた風が鎧をまとった兵士たちをなぶっていく。  ノイシュタット侯軍の陣では、準備を終えた騎士たちがそれぞれの持ち場で警戒を怠ることなく、主からの指令を待った。  フ
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