甘みという味覚は、人類にとって何よりも欠かせぬ味わいです。塩味やうま味も快い味わいですが、これらはある一定の濃度を超えると不快に感じてしまいます。しかし甘みにはそうした限界がなく、いくらでも食べられるという性質があります。 甘いものを食べて快感を得る人類 糖分は、体を動かすために不可欠なエネルギー源となります。このため、甘いものを食べると快感を得られるように、人体は進化したのでしょう。つねに十分な食料が得られない時代が長く続きましたから、食べられるときにできるだけ食べられるよう、歯止めがかからないような仕組みが出来上がったのかもしれません。 しかし、飽食の時代となった現在では、糖分の摂り過ぎは深刻な健康問題となっています。肥満や糖尿病は、生命に関わるさまざまな疾患を引き起こし、寿命を縮めます。特に糖尿病は、血液中にあふれ出したブドウ糖が、体内のタンパク質などさまざまな場所に結びついて機能を
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