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ブックマーク / k-houmu-sensi2005.hatenablog.com (37)

  • 彫り師のプライド - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    おそらく、我が国の裁判の歴史の中で、“入れ墨(刺青)”がここまで脚光を浴びたことはなかったんじゃないか*1、と思うような判決が、東京地裁の知財部によって出された。 彫り師である原告の「作品」の著作物性が最大の争点となったこの事件。 多くの読者には無縁の世界かもしれない、この奥深き芸術の世界をちょっと覗いてみることにしたい。 東京地判平成23年7月29日(H21(ワ)第31755号)*2 原告:X 被告:株式会社の泉社、Y 件は、被告Yが執筆し、被告の泉社が発行、販売した書籍の表紙カバーや扉において、原告が被告Yの左大腿部に施した「十一面観音立像の入れ墨」が掲載されたことをもって、被告Yらが原告の著作者人格権を侵害した、といえるかどうかが問題となった事件である。 被告Yは、現在、行政書士としてホームページを開設するなどして活躍されている方、ということだが、そこに至るまでの間には様々な紆

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    ownernism 2011/08/05
  • 裏目に出そうな「WIN5」 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    長らく場外で馬券すら買うことができなかった関東の競馬ファンにとって、待ちに待った“東京開催”が始まった。 来の中山ではなく、府中に舞台を移して行われた皐月賞は*1、オルフェーヴルがゴール前でいい脚を使って豪快な勝ち方を見せ、父・ステイゴールド、兄・ドリームジャーニーのいずれも届かなかったクラシックを1冠目であっさり制覇する、というドラマチックな展開*2。 原発事故がこれ以上悪化しなければ(そして夏が来る前に電力不足で青息吐息にならなければ)、2冠目も同じ舞台で(しかもよりいい条件で)戦えるだけに、“春2冠”ムードの盛り上がりにも期待できるところだろう。 もっとも、インターネットで配信されたニュースを見ていて、ちょっと背筋が寒くなったのは、次のくだりである。 「昨年の皐月賞当日(2010年4月18日、第3回中山競馬第8日)と比較して、当レースの売得金こそ79.9%(全体で85.5%)と落ち

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    ownernism 2011/04/27
  • 動き出した「原発賠償」問題 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    大震災からちょうど1ヶ月経った今日になっても未だ大きめの余震は続いているし、原発の方も完全に安心できる状況にはなっていない。 だが、そうはいっても、動かすべきものは動かさないといけないだろう・・・ということなのか、あまり注目されないうちに、ひっそりと一つの政令が公布されている。 原子力損害賠償紛争審査会の設置に関する政令をここに公布する。 御名御璽 平成二十三年四月十一日 内閣総理大臣 菅直人 政令第九十九号 原子力損害賠償紛争審査会の設置に関する政令 内閣は、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第十八条第一項の規定に基づき、この政令を制定する。平成二十三年東北地方太平洋沖地震により福島県双葉郡大熊町大字夫沢字北原二十二番地所在の東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び同郡葉町大字波倉字小浜作十二番地所在の東京電力株式会社福島第二原子力発電所において発生した核原料物

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    ownernism 2011/04/12
  • これはちょっと・・・なQ&A - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    最近、「震災対応」のニーズが強まっていることもあって、阪神大震災を契機に作成された“法律相談応答例”が次々とWeb上で公開されている。 そして、商事法務(「地震に伴う法律問題Q&A」(平成7年))*1、新日法規出版(「Q&A災害時の法律実務ハンドブック」(平成18年))*2と公開されたところで、満を持して日弁連のHPで公開されたのが、 「東日大震災法律相談Q&A」 http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/data/soudanQ&A.pdf である。 冒頭に記されている公開のコンセプトによると、 「Q&Aは,関東弁護士連合会が出版した「災害時の法律実務ハンドブック」(新日法規出版(株))の設問及び回答を簡略化し編集し直し,それに今回の震災に特有と考えられる津波災害と原発災害の設問,回答を追加した構成となっております。」 ということ

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    ownernism 2011/04/04
  • 原賠法をめぐる議論を有益なものとするために。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    先日、「原子力損害の賠償に関する法律」(原賠法)をめぐる議論にちょこっと触れてみたのだが*1、ここに来て賠償責任をめぐるネット上の議論が若干迷走気味になっているような気がしてならない。 例えば、同法3条1項但し書きの 「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」 という規定が適用されるのかどうかについて論者の解釈がバラバラで、東京電力の負うべき責任が“純然たる社会的責任”なのか、それとも“法的根拠を伴う責任”なのか、という点において、議論の出発点がそもそも異なっていたりするし、損害賠償の範囲についても、人によって言っていることがまちまちだったりする。 だが、“印象論”としてさらっと呟くだけならまだしも、「原賠法」に言及しながら“事業者の責任論”を真っ向から論じようとするのであれば、これまでの原賠法の制定経緯や解釈論の積み重ねを踏まえ

    原賠法をめぐる議論を有益なものとするために。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
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    ownernism 2011/03/28
  • 「チョコボール」闘争 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    巷で報道される「商標」絡みの事件を見ていると、何で今さら・・・というものが時々出てきたりするのだが、↓のニュースに接した時も同じような印象を受けた。 「森永製菓(東京)がロングセラーのチョコレート菓子「チョコボール」の商標権を侵害されたとして、名糖産業(名古屋市)にアイスクリーム「徳用チョコボール」の販売差し止めや6千万円の損害賠償などを求め東京地裁に提訴したことが17日、分かった。」(日経済新聞2011年2月18日付け夕刊・第15面) 「何で今さらチョコボールで・・・?」というのが、多くの読者の率直な感想だろう。 なんといっても、1960年代から発売されている定番商品の名称だけに、森永に無断で使う方も使う方だし、発売から50年近く経って訴える方も訴える方だ、という思いがよぎった方も多いのではないだろうか。 だが、よく調べて見ると、事情はいろいろと複雑なようだ。 まず、訴えられた名糖産業

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    ownernism 2011/02/28
  • 特許制度の一大改革が始まる - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    ここ1年ほどの間、知財法分野における「法改正」というと、専ら著作権法改正(権利制限の一般規定導入)の動きの方に目が向いてしまう方が多かったのではないかと思うのだが、“大山鳴動して・・・”の感がある“あちら側”の動きを横目に、大胆な法改正に向けて動き始めているのが特許法分野。 できれば、昨年、「産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会」の報告書(案)が出てきた時点でご紹介したかったのだが、いつの間にか年も変わり、とうとう2月1日付けで報告書の確定版が公表されるに至ってしまった。 具体的な法改正の動きもいずれ出てくるだろうが、まずはここで、今回の報告書の内容をかいつまんでご紹介しておくことにしたい。 報告書のタイトルは、 「特許制度に関する法制的な課題について」 http://www.meti.go.jp/press/20110201002/20110201002-2.pdf である。

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    ownernism 2011/02/09
  • 知的財産権と独禁法の交錯領域 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    小さい記事だったので、思わず読み飛ばすところだったが、日経紙の社会面の片隅の方に興味深いニュースが載っている。 「群馬県の要請を受けて県内業者が開発した道路用の特殊な側溝「GBX側溝」を巡り、コンクリート製造業者ら16社でつくる事業協同組合「群馬県GBX工業会」(前橋市)が製造・販売の権利を加盟社のみに制限していたのは、独占禁止法(事業者団体の禁止行為)に違反する恐れがあるとして、公正取引委員会は19日、同会に警告した」(日経済新聞2011年1月20日付朝刊・第34面) 公取委のプレスリリースは、http://www.jftc.go.jp/pressrelease/11.january/11011901.pdfに掲載されているが、決して先例が多くない事業者団体による競争の実質的制限を規制する「8条1号」(旧8条1項1号)類型であることに加え、知的財産権(特許権、意匠権、商標権)の権利行使

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    ownernism 2011/01/24
  • まさかのちゃぶ台返し〜「まねきTV」最高裁判決(予告編?) - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    今は少し時間がなくて、冷静な思考で分析できていないところもある*1。 だが、最高裁が出した「まねきTV」事件の大逆転判決が、これまでの東京地裁、知財高裁の審理の中で2度にわたり設定されてきた議論の土俵を、根幹からふっ飛ばすようなものであることは間違いない。 これまでに当ブログでご紹介してきた裁判所の判断は↓のとおり。 http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20060826/1156554700(東京地裁決定) http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20061225/1167066489(知財高裁決定) http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081222/1230031960(東京地裁、知財高裁判決) 平成20年12月当時のエントリーにもあるように、直近の判断である知財高裁判決(訴)を見た時には、“ちょっと風

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    ownernism 2011/01/20
  • 予想を超えた判決〜東芝録画補償金支払請求事件(前編) - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    昨年の年末、私的録音録画補償金制度をめぐって、強烈なインパクトを与える判決が出されたのは記憶に新しいところ*1。そして、年明け早々に、東京地裁が出した上記判決文がアップされた。 1年前から取り上げてきたこの事件。 負けた原告はもちろんのこと、被告の側にも複雑な思いを抱かせたであろう今回の判決を、じっくりとご紹介していくことにしたい。 東京地判平成22年12月27日(H21(ワ)第40387号)*2 原告:社団法人私的録画補償金管理協会(SARVH) 被告:株式会社東芝 原告代理人には、日比谷パーク法律事務所の久保利英明弁護士、西強弁護士が付き、かたや被告代理人には、長島・大野・常松法律事務所の華麗なる二枚看板、三村量一弁護士、田中昌利弁護士(お二人とも元・最高裁調査官、知財高裁判事の経歴を有する)のお名前がある。 1億4688万5550円という請求金額の大きさ以上に、結果如何では、今後の

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    ownernism 2011/01/11
  • これがファイナル・アンサー?〜「権利制限の一般規定に関する報告書」より - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    今年の1月に、「ワーキング報告書」が公表されて以降、どんな議論が展開されるのか、とちょっとだけわくわくしながら見ていた「フェアユース」規定導入問題だが、結局、そんなに大きなブラッシュアップがなされることもないまま、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の「(最終)報告書」がまとめられるに至った。 「文化審議会の著作権分科会は13日、他人の著作物を許可なく利用できる範囲を定める一般規定を著作権法に導入するよう求める法制問題小委員会の最終報告を大筋で了承した。年明けにも報告書を文化庁長官に提出。文化庁は早ければ来年の通常国会に著作権法の改正案を提出する」(日経済新聞2010年12月14日付朝刊・第42面) 大筋で了承された報告書(案)がこれ↓ http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/bunkakai/32/pdf/shiryo_3_2.pdf

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    ownernism 2011/01/05
  • 人騒がせな審査官 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    日経紙に、珍しいジャンルの特許権侵害請求事件の記事が掲載されている。 「切りがきれいに焼ける技術に関する特許権を侵害されたとして、越後製菓(新潟県長岡市)が「サトウの切り」で知られる佐藤品工業(新潟市)を相手取って製造差し止めと賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であり、大鷹一郎裁判長は請求を棄却した。」(日経済新聞2010年12月1日付朝刊・第38面) 記事によれば、原告である越後製菓の特許は、「の周囲に切り込み(スリット)を入れることで焼いたときにがきれいに膨らみ、形崩れを防ぐ」というもののようであるが、こんな単純な特許で何でまた訴訟にまでなってしまったのか、判決を見ながら考えてみることにしたい。 東京地判平成22年11月30日(H21(ワ)7718号)*1 原告:越後製菓株式会社 被告:佐藤品工業株式会社 原告には代理人として末吉亙弁護士ら、潮見坂綜合法律事務所(旧

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    ownernism 2011/01/05
  • 「商品陳列デザイン」は保護されるのか?〜法と仁義の狭間で・Part2 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    「店舗外観」は保護されるのか?というタイトルで、我が国では珍しい“トレード・ドレス”をめぐる不競法事案を紹介したのは、4年前の夏のことだった*1。 地裁、高裁と原告が連敗したことで、上記のケースについては事実上の決着が付いてしまったわけだが、暫く月日が流れた2010年の末に、あの時と同じ大阪地裁第21民事部で、再び“日版トレード・ドレス紛争”といえるような事案の判決が出されている。 大手企業同士の争いの割には、報道等もあまりなされなかった事案ではないかと思うのだが、興味深いこの事案について、ここで取り上げてみることにしたい。 大阪地判平成22年12月16日(H21(ワ)第6755号)*2 原告:株式会社西松屋チェーン 被告:イオンリテール株式会社 原告は言わずと知れた、全国にチェーン展開している乳児・子供用品店。 被告は被告で、イオン、ジャスコといったブランドで小売店舗を全国展開している

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    ownernism 2011/01/05
  • これぞ知財高裁!というべき判決〜「引用」理論の新たな展開 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    以前ブログでも取り上げた「鑑定証書カラーコピー事件」*1。 第一審判決が、鑑定会社(被告)による「鑑定証書添付用縮小カラーコピー」の作製を複製権侵害と認定し、著作権114条2項に基づいて6万円(+遅延損害金)の支払いを命じたことが物議を醸していたのだが、それから僅か5ヶ月ちょっとで、知財高裁があっと驚くような被告側逆転勝訴判決を出した。 これぞ知財高裁!と言いたくなるような鮮やかなこの判決を、ここでは暫し堪能することにしたい。 知財高裁平成22年10月13日(H22(ネ)第10052号)*2 控訴人:株式会社東京美術倶楽部 被控訴人:X 控訴人は、原審に引き続き、件「縮小コピー」の「複製」要件該当性を争い、控訴審では特に、著作権法47条等に言及しつつ「鑑賞性色彩がある部分が利用された場合に限り」複製権侵害となる旨主張していた。 このような主張は、「雪月花事件」等に着想を得たものと考えら

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    ownernism 2010/10/19
  • 誰のための商標審査基準改正か? - 企業法務戦士の雑感

    しばらくフォローしていないうちに話がずいぶん進んでいた商標の「類似商品・役務審査基準」改正。 日経紙に↓のような記事が出るに至って、ようやくフォローするに至った。 「特許庁は企業などから商標登録を受け付ける際の商品の分類を見直す。分類を定める審査基準を見直すのは、1960年の制度導入後初めて。CDとDVDを同じ分類に統合したり、薬剤から農薬を分離したりするのが一例。似通った商品の重複登録が起きないようにするのが狙いだ。」(日経済新聞2009年11月7日付朝刊・第5面) 「1960年の制度導入後初めて」というフレーズを見た時点で、玄人なら記事のクオリティを疑ってかかるべきだろうが*1、案の定、実際に特許庁のページに飛んでみると、記事のニュアンスとのギャップに驚かされる。 ↓が、現在、パブリックコメント募集中の特許庁のページ。 http://www.jpo.go.jp/iken/iken_r

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    ownernism 2009/11/08
  • 本当にやるらしい。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    以前から取り上げているデジタル専用録画機の録画補償金問題だが、今日の日経紙によると、SARVH(サーブ)が遂に東芝に対する訴訟を提起する方針を固めたようだ。 「俳優やレコード会社など著作権者の社団法人,私的録画補償金管理協会(サーブ)は2日、デジタル放送専用録画機の売り上げに応じた著作権料(補償金)を求め,メーカーの東芝を提訴する方針を固めた。今月中にも東京地裁に提訴する。」(日経済新聞2009年11月3日付朝刊・第10面) 相変わらず「録画補償金」と「著作権料」をごっちゃにしている日経紙の記者もどうかと思うが*1、それ以上に振り上げた拳を下ろすタイミングを見いだせないまま、泥沼訴訟に突入しようとしているSARVH側の姿勢には、大いに疑問を抱かざるを得ない。 記事の中では、「デジタル放送専用録画機」が補償金の対象機器かどうか、という政令の解釈の問題に焦点が当てられており、メーカーが被告と

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    ownernism 2009/11/04
  • チャップリン&黒沢明・格安DVD販売訴訟決着。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    最近、とんと知財関係判例のフォローを怠ってしまっている当ブログであるが、さすがにこれは大きい話なので、タイムリーに取り上げておくことにしたい。 「格安DVD販売をめぐり、喜劇王チャップリン(1977年死去)の映画「独裁者」など9作品の著作権の保護期間が継続しているかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は8日、「保護期間が継続している」との判断を示し、DVD制作会社の上告を棄却した。DVDの販売差し止めと約1000万円の損害賠償を命じた二審・知財高裁判決が確定した。」(日経済新聞2009年10月8日付夕刊・第16面) 「黒沢明監督(1998年死去)の映画12作品の格安DVDを販売するDVD制作会社に対し、著作権を持つ東宝など3社が販売差し止めなどを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は8日、制作会社側の上告を棄却する決定をした。販売差し止めな

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    ownernism 2009/10/13
  • 勇気ある反論? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    ブログでは、以前から、教科書準拠テキストや赤に関して、著作権者と出版社の間に生じている紛争を紹介してきたところであるが*1、「中学・高校入試問題集」の分野でも著作権紛争が勃発したことが数日前の新聞記事で報じられた。 「過去の中学、高校入試問題集に作品を無断使用されたとして、小説家のなだいなださんや妹尾河童さんら40人が14日、学習教材製作販売会社「声の教育社」(東京)に計約8500万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。」 (日経済新聞2009年9月15日付朝刊・第42面) 記事によれば、今回提訴した40人以外に、「詩人の谷川俊太郎さんや脚家の倉聡さんら31人も今年1月、計約9700万円を求めて提訴」しているということで、合わせると原告計71人、請求額は1億8200万円という大型訴訟になる*2。 もっともこの記事が興味深いのは、これに続く被告(声の教育社)のコメントが比較的詳し

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    ownernism 2009/09/24
  • 「不使用商標」対策はこれでよいのか? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    ここ1〜2年の感触からして、そろそろ動きがあるかな・・・、と思っていたところに日経のアドバルーン記事が出ている。 「政府の知的財産戦略部(部長・麻生太郎首相)は、社名や商品名の独占的な使用を認める商標登録制度を見直す方針を固めた。」 「具体的には登録から一定期間後に実際に使われているかどうかを証明することを登録した企業に義務付ける。6月下旬にも決定する「知的財産推進計画2009」に盛り込む。」 (日経済新聞2009年6月22日付夕刊・第1面) 第三者が保有している膨大な「不使用商標」に悩まされてきたのは筆者のところでも同じで、これまでブログの中でも、対策の必要性について言及していたつもりではあるが*1、“使用証明”という筋で来るとは思わなかった。 商標法3条1項柱書の要件に関する審査運用が2年前に厳格化し、1区分内で8以上の類似群(タンザク)を指定して出願した場合には、使用実績等を

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    ownernism 2009/06/23
  • 完全に定着した流れ。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    チャップリンや黒澤明作品をめぐる紛争を経て、「映画の著作物の保護期間」に関する判断基準(監督の死後70年まで存続する)が完全に固定化した感がある。 「1950〜52年に公開された故成瀬巳喜男監督らの邦画3作品を格安DVDとして販売しているのは著作権の侵害だとして、東宝(東京)が都内のビデオ販売会社に販売差し止めなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は17日、販売差し止めや原版の廃棄などを命じた。」(日経済新聞2009年6月18日付朝刊・第42面) 判決を読んだら改めてコメントしようとは思っているのだが、これらのケースでも公表時基準ではなく、監督の死後・・・基準が用いられたことだけは確かなわけで、裁判所がこのような考え方を認めている以上、今後の実務はこの基準によらざるを得ない、ということを改めて思い知らせてくれる判決であるのは間違いない。 もっとも、今回対象となった作品は、 成瀬巳喜男監督 「

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    ownernism 2009/06/22