ベンチ1基400万円、舗装用「テラゾー」は相場の10倍超?…渋谷区が整備を進める「ぜいたく緑道」は妥当なのか 1基当たり400万円のベンチ、1平方メートル当たり17万円の道路舗装。東京都渋谷区が再整備を進める玉川上水旧水路緑道(笹塚~代々木)の豪華さが議論を呼んでいる。区議会で「高い」と批判され、住民から困惑の声も上がる。それでも区は「住民の声を踏まえた」事業として進める意向だ。(中村真暁)
2023年度から5年間の防衛費を総額43兆円とした政府の防衛力整備計画を巡り、円安や資材高などの影響で装備品の単価が跳ね上がり、既に計画額より8000億円以上超過する恐れがあることが、本紙の試算で分かった。防衛省が調達数量や単価を公表していない装備品も多く、本紙の試算は一部にとどまる。岸田政権が決定した巨額の防衛費の超過額はさらに膨らみ、国民の負担がより重くなる懸念が早くも高まっている。(川田篤志) 防衛費の増額 政府は昨年末、国内総生産(GDP)比で1%程度で推移していた防衛費について、5カ年計画の最終年となる2027年度には関連費と合わせて2%に倍増する方針を決めた。27年度には年約11兆円となる。GDP比2%は、北大西洋条約機構(NATO)が加盟国に求める共通目標で、自民党も選挙公約で2%への引き上げを求めていた。
東京都世田谷区は二十二日、二〇二三年度のふるさと納税制度に伴う区税の流出が前年度比十億円増で、過去最大の九十七億円に達したと発表した。二二年度から対策として返礼品を拡充して寄付を呼び込んだが、その効果も吹き消す損失で、保坂展人区長は「大変ショック。このままなら百億円、百五十億円と進む。耐えられない」と国による制度の見直しが必要と訴えた。 流出額は昨年、区民が制度を利用して他自治体に寄付したことに伴う本年度の区税控除額の総計。一三年度は六千万円だったが、年々、特産品など豪華な返礼品をそろえる自治体への寄付が増え、流出額が膨張。十一年間の流出は累計四百五十八億円に上った。 区は長年、返礼品を福祉作業所で作ったお菓子など社会的意義のあるものに限っていたが、昨年度から区内の名店の商品やクーポン券などをそろえ「返礼品競争」に加わった。果たして二二年度は前年度の倍の二億八千万円の寄付が集まったが、流出
統一地方選で、議会の勢力図が激変したのが東京都杉並区だ。女性の当選者が男性を上回り、現職や最大勢力の自民党の候補が大量落選。新陳代謝を印象づけた。変化を引き起こしたものは何か。(原田遼)
大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。大企業の収益改善を賃上げへとつなげる「トリクルダウン」を起こせなかったことを認めた。 (渥美龍太、原田晋也、畑間香織)
政治に関心のある若者でつくる「選挙ギャルズ」が20日、安倍晋三元首相の国葬や改憲に反対するパレードを東京都内で行った。インスタグラムなどの交流サイト(SNS)で呼びかけ、約110人が参加。「国葬うちらは求めていない」などと訴えながら、日比谷公園から日本橋まで約2キロを行進した。 選挙ギャルズは5月末、地方選挙のボランティア活動を通じて知り合った大学生や会社員ら平均年齢21歳の10人が結成。この日は「ラブ&ピース・パレード」と称し、軽快な音楽に合わせて「うちらは求めてない国葬」「返せようちらの民主主義」と声を上げた。「国葬に反対」「憲法改悪マジ反対」など自作のプラカードを掲げて歩いた。 メンバーの1人は取材に「国民の意見に耳を傾けず、国会の議論も経ずに国葬を決定した。民主的でないやり方は信頼できない」と話した。パレードに参加した都内の女性会社員(24)は「コロナ禍で格差が拡大したのに、手を打
立憲民主党の小川淳也政調会長が辞任の意向を固め関係者に伝えた。複数の党関係者が11日、明らかにした。小川氏はこれまで、敗北した参院選について総括した後に泉健太代表を除く執行部刷新が必要だと主張していた。泉氏は月内に執行部人事を行う方針で、小川氏らの処遇を決める見通しだ。 立民は10日の臨時常任幹事会で、参院選総括を了承した。小川氏はその後、自身のツイッターで「少なくともここまでは現執行部として責任を果たすべきと主張してきた私自身も、どこかでけじめをつけなければならない」と投稿した。参院選直後から、党役員ながら泉氏を除く執行部の刷新を訴えていた。
東京の投票率は全国3位56.55% 無党派多い都市部で異例の高さ 物価高に苦しむ有権者、与党対策に異議<参院選2022> 参院選(10日投開票)の東京選挙区の投票率は56.55%で全国3位だった。1000万人以上の有権者を抱え、無党派層が多い都市部としては異例の高順位。大消費地・東京では、物価高が有権者の選挙への関心を高め、投票率を押し上げたとみられる。改選6議席を与野党が3議席ずつ分け合ったが、得票を詳しく分析すると、政権の物価高対策に対する有権者の意識が浮かび上がってくる。(村上一樹、我那覇圭)
新型コロナウイルス対策の持続化給付金や家賃支援給付金の対象から性風俗事業者を除外したのは、憲法の法の下の平等に反するなどとして、関西地方でデリバリーヘルス(派遣型風俗店)を営む会社が国などに給付金や慰謝料など計446万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁(岡田幸人裁判長)は30日、合憲と判断し、原告側の請求を棄却した。(奥村圭吾) ソープランドやラブホテルなどの性風俗事業者を除外するコロナ給付金の規定が差別に当たるかどうかが争われた。災害時の公的支援などでも性風俗事業者は対象外で、除外することの違憲性を巡る司法判断は初めてとみられる。原告側は即日控訴した。 判決は「性行為などは極めて親密かつ特殊な関係性の中、非公然と行われるべきだという道義観念を国民の大多数が共有している」とし、性風俗業はこの観念に反すると指摘。風営法上も異なる取り扱いがされており「給付対象から除外することは合理的理由
重症化リスクが低いとされるオミクロン株でも、新型コロナウイルス感染症の後遺症は深刻だ。東京都渋谷区の「ヒラハタクリニック」(平畑光一院長)の調査では、オミクロン株の流行後に後遺症外来を訪れた患者の6割が休職を余儀なくされるなど、社会生活の維持に支障を来す人が後を絶たない。(佐藤航) 2月末、ヒラハタクリニックを受診した20代男性は座っているのもつらい様子だったという。平畑院長によると、男性は仕事に行けず、風呂に入るのも難しいと説明。診察室で横になり、「いつになったら働けますか」と尋ねたが、3月下旬になっても職場復帰できていない。 感染当初、男性の症状は軽かった。自宅療養を経て熱も下がったが、重い倦怠感や気持ちの落ち込みが続いている。平畑院長は「オミクロン株は症状が軽いと言われるが、後遺症については、そんなことは全くない」と指摘する。
問題となっているのは、区内の大泉地区を流れる白子川流域の自然環境の保全を図る「稲荷山公園」の整備計画。1957年、川沿いの良好な樹林地の保全を目的として8ヘクタールを整備することが都市計画決定された。 その後、78年に隣接の樹林地が計画地に編入され、総面積は10ヘクタールとなった。79年に「稲荷山憩いの森」(2.2ヘクタール)、2017年に「清水山の森」(1ヘクタール)が同公園の一部として部分開園している。だが、それ以外の部分については、宅地開発が進展。都市計画決定されたばかりの頃は見渡す限りに広がっていた農地や林は、住宅が林立するようになった。 区道路公園課によると、計画地にはカタクリの群生地が残り、オオタカなど希少種も生息し、現在のままでは自然の保存は困難な状況にあるという。「乱開発を防ぐ」として棚上げしていた公園の整備方針を区が改めて示したのは19年。「区みどりの総合計画」に「みどり
会員制交流サイト(SNS)で知り合った男性から精子提供を受け、子を出産した東京都内の30代の女性が、男性が国籍や学歴を偽ったことで精神的苦痛を受けたとして、約3億3000万円の損害賠償を求め27日、東京地裁に提訴した。SNSなどで個人間の精子取引が広がる中、代理人弁護士によると、実際のトラブルを巡る訴訟は全国初とみられる。
新型コロナウイルス患者の入院を制限し、重症者以外は原則自宅療養とする政府の方針転換に関し、自民党は4日、党会合で撤回を求めることを決めた。公明党は衆院厚生労働委員会の閉会中審査で、撤回を含めた再検討を訴え、立憲民主、共産、国民民主の野党各党も撤回要求で一致した。菅義偉首相は官邸で記者団に「病床を一定程度空かせて、緊急な方に対応しようということだ。丁寧に説明して理解してもらう」と撤回しない考えを強調した。(井上峻輔) 厚労省は3日付で、中等症患者を自宅療養とする具体的な判断基準を政府として示さないまま、入院制限方針を都道府県などに通知したばかり。全国的に感染が急拡大する中、適切な治療を受けられずに自宅で重篤化する懸念が国民や医療関係者の間で高まったことで、与野党から異論が噴出する異例の事態となった。 首相は入院制限方針の対象について「東京や首都圏など爆発的感染拡大が生じている地域であり、全国
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