(英エコノミスト誌 2014年1月11日号) ジャネット・イエレン氏がFRB議長の座を引き継ぐ準備をしている今、幸先は良い。 ベン・バーナンキ氏が8年前に米連邦準備理事会(米国の中央銀行、FRB)の議長になった時、失業率はちょうど5%を下回ったところで、成長率は3.5%を記録し、インフレ率は安定していた。「経済活動の拡大は堅調なように見える」。バーナンキ氏が議長に就任する前日、FRBはこう宣言した。だが、表面下では、危機――そして1930年以降で最悪の不況――が醸成されていた。 1月6日に上院によって来月バーナンキ氏の後継者になることを承認されたジャネット・イエレン氏にとって、状況はまるで逆だ。失業率は7%で、成長率は2%を超えるのに四苦八苦しており、インフレ率は低すぎる。だが、バラク・オバマ大統領の言葉を借りれば、水面下には「2014年はブレークスルーの年になり得る」という期待を抱かせる