(英エコノミスト誌 2012年9月29日号) アップルに浴びせられた批判は、地図製作の重要性が高まっていることを物語っている。 本誌(英エコノミスト)のベテラン記者には、「モカリス」の懐かしい思い出がある。セントジェームス通りのオフィスの近くにあったカフェだ。食べ物や値段、サービスに特別なことは何もなかった。モカリスは2005年に閉店し、隣のしゃれたイタリアンレストラン「フランコズ」が店舗を拡張して施設を引き継いだ。 だが、「iPhone(アイフォーン)」のパラレルワールドでは、今もお腹を空かした記者が5ポンドほどでオムレツとフライドポテトにありつくことができる。モカリスは今でも地図に載っているのだ。少なくとも、アップルの新たなモバイル基本ソフト(OS)「iOS6」の地図には。 自社製地図に切り替えて大失態 アップルのモバイル向け地図は従来、かつて友好関係にあったが今は最大のライバルとなっ