1月16日、台湾総統選挙の投票が締め切られた午後4時。最大野党の民主進歩党(民進党)の本部近くに設営された野外の大規模集会場では、用意された席は既に支持者らで埋め尽くされて会場外の道路にまで人があふれていた。 巨大なモニターには開票状況が映し出され、事前の予想を超える勢いで民進党の候補者である蔡英文主席がリードするもようが伝えられている。 総統選は与党・国民党の朱立倫主席との事実上の一騎打ち。その朱氏に、ダブルスコアの差をつけて蔡氏の獲得票数が伸びていく。100万票、200万票、300万票――。票数が大台に乗るたびに会場は盛り上がる。そして会場中の人々が大型モニターに映し出された言葉を叫ぶ。 「我是台湾人(私は台湾人だ)!!」 8年ぶりの政権交代。加えて民進党は、初めて立法院(日本の国会に相当)でも過半数(定数108に対して68の議席を獲得)を獲得した。その支持層が最も力を入れて叫ぶ言葉が
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