将来受け取る公的年金見込み額をスマートフォンで簡単に試算できる「公的年金シミュレーター」を厚生労働省が開発し、2022年4月25日に試験運用を始めた。年金額は働き方によって変わるが、現役時代はイメージがつかみにくい。シミュレーターは状況に応じた年金額の変化を「見える化」するため、老後資産づくりを考えるうえの基礎ツールになりそうだ。 「ねんきん定期便」と「ねんきんネット」 将来の年金額がどれぐらいか知りたいというニーズは高い。厚労省「公的年金加入状況等調査(19年)」によると、20~50代の「公的年金について知りたいこと」(複数回答可)は「自分の年金額見込み」が80%とダントツだ。 それを確認するには二つの方法があった。 ひとつは、09年からの「ねんきん定期便」だ。年金記録を示す書類で毎年誕生月に日本年金機構から届く。 50歳未満では、それまでの加入実績に基づいて受け取れる額を記載する。額は