リアルな世界からの断絶。いままで当たり前とされてきたことが、一気に壊れていく。新型コロナウイルスの猛威は、エンタメ業界を直撃した。昨年、闇営業問題で窮地に立たされた吉本興業。少し落ち着いた頃に新たにやってきた危機──。 コンテンツのデジタル化を急激に進める一方で、芸人たちの収入減が止まらない。社内の大改革を行い、新基軸を次々と打ち出してきた大﨑洋会長は、この状況をどう受け止めているのか。会長は2時間にわたり、胸中を語った。 「なんやったっけ、あの四字熟語。変わらないものと変わるものがあるという意味の……『不易流行』だ」 いまの吉本興業は、松尾芭蕉が説いたというこの理念で言い表せる。 4月28日、日本最大のユーチューバープロダクションであるUUUMとの資本業務提携を発表した。外出自粛下の動画視聴時間増に合わせた動きのように見えたが、『ビリギャル』著者でもある社外取締役・坪田信貴が将来的なオン