新型コロナウイルスによる犠牲者を追悼するために、武漢のホテル付近で掲げられた半旗(4月4日撮影)。この日、習近平国家主席をはじめとする指導者や国民が黙とうを捧げた。 REUTERS/Aly Song コロナパンデミック後で世界はどう変わるか。感染拡大が止らない中、透けて見えてきたものがある。 第1はグローバル化によって弱体化された国家と政府が復権し、強権政府に期待する人たちの姿。もう1つは、自国の利益のみを優先するアメリカのグローバル・リーダーからの退場である。 2つの変化を軸にコロナ後の世界を読み解く。 グローバル化で実権奪った多国籍企業 まず国家と政府の復権。1989年の冷戦終結にともない世界はヒト、モノ、カネが国境を越える地球規模の経済システムが築かれた。世界中に複雑に張り巡らされたサプライチェーン(供給網)を支配する多国籍企業は、本来は国家主権に属する金融・通貨政策はもちろん、雇用