「19時に、いつもの店に集合ね」。そんな会話は、もはや遠い昔のことに思える。 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、私たちはパラダイムの転換を迫られている。それは飲食業界で特に顕著だ。 東京都の小池百合子知事は、4月10日、居酒屋を含む飲食店に対して、11日から営業時間を朝5時から20時、アルコール類の提供は19時までという協力要請を出した。 これまで苦しいながらも営業を続けてきた飲食店は、究極のジレンマに陥っている。 感染拡大防止のために、営業を自粛すべきだと頭ではわかっている。だが、休業すれば、経営や生活が立ち行かなくなる。スタッフの雇用を守ることも難しい。とはいえ、店を開けたところで、売り上げの目処も立たない。 せめてもの対策として、営業形態をテイクアウトに切り替える店が一気に増えた。だが、「テイクアウトにすれば万事解決」するはずもない。テイクアウトを始めた飲食店は、いま、さらなる課