コロナ禍で、生活に困窮する人たちから支援団体へのSOSが急増している。派遣や日雇い労働で食い扶持をつなぎ、ネットカフェなどで寝泊まりしていた人たちが、新型コロナウイルス感染症流行の影響でさらなる貧困に陥っているのだ。しかし支援の現場では手が足らず、「福祉崩壊」を訴える声も少なくない。25日に首都圏などでも緊急事態宣言が解除されたものの、支援者は「困窮者への緊急支援が必要な状況は1年以上続く」とみている。いま貧困の現場で、何が起きているのか。SOSを発信した当事者を取材し、支援者の活動に密着した。 ■緊急事態宣言下で届いた“SOS” 「親も友達も頼れない」■ 「助けてください」。4月下旬のある夜、生活困窮者支援団体の相談フォームにSOSが届いた。翌日、大雨のもと支援スタッフや地元の議員6人が千葉のある「道の駅」に駆けつけると、待っていたのは40代前半の男性。所持金は150円だった。「まだ40