日本のベンチャーをグーグルが買収――。2013年の年末、一躍世界の脚光を浴びたヒト型ロボットのベンチャー企業「シャフト」。この売却を成功させたのが、当時最高財務責任者(CFO)を務めていた加藤崇氏だ。 東京大学大学院の博士課程でロボット研究をしていた中西雄飛CEOをはじめとするエンジニアたちは、ヒト型ロボット実用化の夢を描いていた。「彼らの情熱を支えたい」。銀行出身の加藤氏はシャフトに仲間入りした。 「世界を変えられる技術だとは思っていたが、おカネを出してくれる人がいなかった」。そう考えていた矢先に出会ったのが、スマホOS「アンドロイド」の生みの親として知られるグーグルのアンディ・ルービン氏だった。当時、グーグルでロボット開発のプロジェクトを率いていたルービン氏は、ロボット関連のスタートアップを矢継ぎ早に買収。シャフトもその1社だった。 シャフト売却後、「配管点検」に注目 シャフトの売却後