幾度、暗殺されかけようとも屈せず。ブッダを説き続ける。仏教発祥の地、インドで1億5千万人の信徒を導く、日本出身の僧・佐々井秀嶺。若いころ、人生に絶望し自殺を図るが僧となる。数奇な運命からインドに導かれ、仏教復興と“不可触民(※)”という最下層の人々のために半世紀以上も闘ってきた、その激動の人生と日本への思いとは──。 ※不可触民(ふかしょくみん)とは、厳しい身分制度で知られるインドのカースト制度にあって、最底辺のシュードラにすら入れない、カースト外の最下層に置かれ「触れると穢れる」と差別されてきた人々。 「命がけで差別や貧困と闘っていく」 肌の白い僧がひとり、大ステージへと向かう。足取りはゆっくりだが、その眼光は虎のように鋭く、全身からは熱情がみなぎっている。日本の穏やかな高僧とは対照的なその姿に、ここが灼熱のインドであり、混沌とした国であると思い知らされる。 インドのど真ん中、デカン高原
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