静かな夜だった。昨年11月10日午前1時半。スマートフォンに「+380」で始まる覚えのない番号の着信があった。 「息子さんと思われる方が亡くなったようだ。確認してもらいたい。最短でいつ来られますか」 在ウクライナ日本大使館からだった。 ▶ウクライナ侵攻に関する記事一覧 *フォロー機能が使えます 遺体左腕に渡航前彫ったタトゥー すぐに国際便を手配し、11月15日に隣国ポーランドの首都ワルシャワに到着。爆撃が続くウクライナには入国できず、大使館の連絡をホテルで待った。「間違いであってほしい」。祈るしかなかった。 2日後。大使館とのビデオ通話で、遺体の映像を見せられた。ウクライナ東部ルガンスク州の前線でミサイルが近くに着弾し、破片が左側頭部を直撃。首都キーウ(キエフ)に運ばれてきたと聞いた。体には血の跡が残っていた。左腕に「SAMURAI」のタトゥー。渡航直前に「彫った」と見せられた記憶があった
![福岡からウクライナへ…帰らぬ息子は「義勇兵」 「なぜ」遺品に問う父 | 西日本新聞me](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/517957bbf79a85eded693ca41f351cd172c8a535/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nishinippon.co.jp%2Fuploads%2Fimage%2F1514115%2Fsns_IP230221JAA000728000.jpg)