学士会の夕食会で、團藤重光先生に おめにかかった。 日本の刑法学における重鎮。 私も、法学部時代はその御著書で 勉強した。 学士会の理事長もされており、 講演前、 となりで食事をいただきながら いろいろとお話をうかがった。 「あなたのやられている分野と 刑法学の境界領域は、アメリカで 随分やられているでしょう」 「はあ」 「やはり、主体性理論との関連に おいてね。」 「はい、私たちも、agencyや、free will の問題には関心を抱いています。」 「あなたの脳科学の先生は、どなたですか」 「伊藤正男先生です。」 「ああ、伊藤先生ね。伊藤先生の論文を引用 したことがありますよ。」 講演の時間となり、私は「知の総合性」 についてお話させていただいた。 昨年、京都大学で湯川秀樹、朝永振一郎 両博士の生誕100年の記念シンポジウムが あったのを機に、 私は湯川博士の生涯をもう一度 振り返って