【今回の歌】 安倍仲麿(7番) 『古今集』羇旅・406 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出(い)でし月かも 明けましておめでとうございます。本年も弊社をよろしくお引き立てのほど、お願い申し上げます。 お正月といえば、一家揃って百人一首のかるたを楽しむご家庭も多いことでしょう。取り札には下の句しか書かれていないので、運動神経の良い子供さんより、歌に慣れ親しんでいるおばあさんの方が取る数が多いなどということもしばしば。老若男女みんなに好まれるのも頷けますね。 中でも安倍仲麿のこの歌は、歴史の教科書にもよく引用され、子供でもよく知っている有名な歌です。 現代語訳 天を仰いではるか遠くを眺めれば、月が昇っている。あの月は奈良の春日にある、三笠山に昇っていたのと同じ月なのだなあ。 ことば 【天の原】 大空のこと。「原」は、「海原」と同じく、大きく広がっている様子を表す時に使われます。