「外国人旅行者に大人気の西成あいりん地区」 ほとんどの大阪市民は近寄らない、日本最大最悪のスラム「あいりん地区」こと釜ヶ崎エリア。 御堂筋線動物園前駅、JR新今宮駅の南側、西成区萩之茶屋・太子・山王の500メートル四方に囲まれた「労働者の街」は、20世紀初頭に誕生した。当時は日本橋電気街の辺りがかつてのドヤ街(長町スラム)だったのだが、明治36(1903)年に内国勧業博覧会が現在の天王寺公園付近で開催されたのをきっかけに、今の土地にドヤ街を強制移住させたのが「釜ヶ崎」の始まりである。 釜ヶ崎が労働者の街になってからおよそ100年。いかに時代が変化しようとも、ここには社会の最底辺に生きる者が住まう街として、何一つ変わることはなかった。昼間から酒を煽って道端で眠りこけるオッサン、冬には凍死するホームレス、炊き出しのボランティア、極左活動家、暴力団、ドライブスルーでヤクが買える街。それが「西