2部構成の本書は、世界情勢や各国の歴史、隣国同士の因縁といったものを地図を使って分かりやすく解説している。第1部は主だった国の解説、第2部は世界全体の未来予想だ。元々はフランスの人気テレビ番組で、本国ではベストセラーになっている。こういった「○○を地図で読み解く」という本は類書が多いが、この本の特筆すべきは以下の3点である。 地図が美しい。 日本でも英米圏でもない、フランスという国の持つ視点。 絞り込みのセンス。 この手の本に掲載されている地図は、情報の取捨選択がされているものが普通だ。たとえば国境をテーマとして見せたいとき、河川や山脈は明示した方が理解が深まるが、細かい地名や海中の構造などはどうでもいい。というか、むしろジャマだから削ってある。本書もそこまでは同じなのだが、その不要な海や余白にひと工夫ある。 まず、興が乗る。仕掛けのセンスが抜群 海の青が均一でなく濃淡がある。ダンボールの
![フランス人から見た世界『地図で読む世界情勢』:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)