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風俗街で出会うマキ(34歳)がユウジ(45歳)に出会ったのは21歳。2人が生まれ育った宮崎市内の風俗街でだった。 マキは働いていた飲み屋で知り合ったパチンコ依存症の夫と別れたところ。ユウジは日中ビルメンテナンスの会社を経営しながら、夜はデリヘル業(デリバリーヘルスという業種の風俗店)に携わっていた。ユウジもこの時点でバツ2だった。 2人は結婚。デリヘルやSM店経営の後、本業のビルメン経営の傍らで、一般社団法人「日本プレミアム能力開発協会」という団体を立ち上げ、その事業の一環で、2015年1月に「プレミアム親子食堂」を立ち上げる。これが、宮崎県内のこども食堂の先駆けとなった。 風俗業の経営から、法人立ち上げを経て、こども食堂へ。2人の軌跡はいかにもアヤシゲで、眉をひそめる人もいるかもしれない。 しかし、この2人のストーリーを、貧困の中で育った者たちが貧困の連鎖を断ち切ろうとしてきた苦闘のスト
子どもに責任はない子どもの貧困は、大人の貧困に比べて、広い理解を得やすい。 一番の理由は「自己責任」と言われないこと。 大人だと、どうしても「そうなる前になんとかできたはず」と言われるが、子どもの場合は言われない。 「親が悪い」とは言われるが、それも親を選べない子の責任にはならない。 大人の貧困に比べて、批判を受けにくく、共感を得やすいテーマと言える。 影響力ある「昔のほうが大変だった」ただ、代わりに言われることがある。 「昔のほうが大変だった」ということ。 これは、特に高齢の、特に男性から言われることが多い。 そしてこの方たちが地域や社会で力をもっている(地方議員や自治会長など)。 子どもの貧困対策を進める上では、この方たちにも理解してもらう必要があるが、そのためには「昔のほうが大変だった」というこの言い方に向き合う必要がある。 どう受け止め、なんと返せばいいのか。 背景としての高度経済
「子供のことが心底憎いって思ってる親がいるはずがないって、わたし、生まれてから100回ぐらい他人に言われた。けどわたしが施設で暮らしてる間、母親から“あんた生むんじゃなかった”って手紙も100通ぐらい送られてきた気がする。母親の手紙にカミソリ入ってたことだってある」 「俺はヤクザになりたくないから東京に来たんですよ。中学卒業して地元で食っていきたかったら、ゲソ付ける(ヤクザになる)かヤクザの下で働く以外に選択肢がない地元って、鈴木さんわかります?」 「少なくともウチが通ってた高校じゃ、高校中退した理由が親の失業だって同級生がクラスに8人いました」 「初めての援交の相手はママの元カレです。あたしのママは、ばあちゃんに“シングルマザーでも娘3人生めば家が建つ”って言われて育ったんだって。女は中学卒業すりゃ夜職に突っ込んで稼がせることできるからって。実際、ママは中3からずっと夜職」 「鈴木さんて
最近は特に奨学金の延滞額が増えたりしていることで、いろいろな報道がありますでしょう。この間も九州のほうで、奨学金が返せず自己破産を申請された方がいるようですね。そうしたことから「日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の貸与を受けたら人生の終わり」とでも言わんばかりの報道も、実際に目にします。 奨学金はもはや社会インフラ でもね。そういう報道が蔓延してしまうと、「家が貧しいが奨学金を受けて大学へ行きたい」というような人が奨学金を受けなくなり、結局は人材の芽を摘むことになる。我々はそうしたイメージに負けずに、「教育の機会均等」の価値を訴えていかなくてはいけない。意欲があって、能力があって、ただ親の経済力がない。そういう子供たちのための制度であることを、しっかりと伝えていかなくてはと思っています。 日本学生支援機構は、日本最大の奨学金貸与団体です。2014年度の事業費総額は、予算ベースで1兆17
『最貧困女子』著者・鈴木大介さんインタビュー(後編) 貧困対策はマイルドヤンキーから学べ 『最貧困女子』著者が語る、不安な社会でリスクを軽減する方法 >>【前編はこちら】「女性も自立すべき」という風潮が貧困を生む ―『最貧困女子』著者が語る、負のスパイラル構造 『最貧困女子』(幻冬舎新書)の著者であるルポライターの鈴木大介さんに女性を取り巻く貧困事情について伺うインタビュー。前編では、アラサー女性が貧困に陥る原因についてお聞きしましたが、後編では、貧困から抜け出す方法についてお話していただきました。 腹を割って話し合える人間関係を構築する必要がある ――独身女性にとって結婚という制度が貧困から身を守る手段になり得るのでしょうか? 鈴木:地方のいわゆるマイルドヤンキー層の話を聞くと、夫婦でそれぞれ非正規をWワークして、1世帯で4つの仕事に就くというのがベストという価値観になりつつあるようです
大ヒット映画「ベイマックス」を見てきた。 ケアロボットのベイマックスが優しさで主人公の心を癒やす映画ってのは宣伝前の話で、蓋を開ければヒーロー物だった。もちろん面白さは裏切らないし、泣けるシーンもある。ケアロボットのベイマックスの見た目は大きなマシュマロみたいで愛くるしいし、1万通りもの医療データで痛みを治す。体の痛みも心の痛みも治してくれる大きいマシュマロのベイマックス。これは大人気になるだろうし、あの柔らかボディに抱きつきたくなる女子も多いはず。ぽよん♪と音がしそうな大きなお腹はみるだけで癒される。 そんなハートフル映画ベイマックスを見る前に時間が合ったので喫茶店で前から気になっていた本を読んだ。 いや、正確にはベイマックス見る前にこの本を読まなければ良かった。 前から気になっていた本とは 最貧困女子 作者: 鈴木大介 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/11/07 メディ
6畳1間に住む天野さん。同居する男性におカネを借りることもあるが、彼の手取りも月15万円程度という〔PHOTO〕村上庄吾 今や単身女性の3分の1は手取り125万円以下という。家賃、食費を切り詰め、「三食、菓子パン」「洋服は防寒具以外は買いません」と告白する女子たちの実態に迫った! 「本当に何もなくて、お恥ずかしいのですが・・・・・・。よかったらお水でもどうぞ」 (右)天野さんの1月分の手取りは、8万5583円也。ここから4万2000円の家賃、1万円の携帯代などを捻出 (左)ご覧のようにお風呂は膝を抱えないと入れないほど狭いが、天野さんは「水道代の節約になる」と苦笑いする〔PHOTO〕村上庄吾 老人の介護施設でアルバイトとして働く天野裕子さん(28・仮名)は、そう言って水道の蛇口をひねり、ちゃぶ台の上にグラスの水を置いた。 「普通はお茶ぐらい出しますよね。でもおカネがないから、あいにくお水し
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