トランプ米大統領が6月の日米首脳会談で日本の通商政策をめぐり「真珠湾を忘れていない」と強い不満を示していたとする米紙ワシントン・ポストの報道を受け、日本政府は事実関係の否定に躍起になっている。 日米関係の蜜月ぶりを誇ってきた安倍晋三首相の言葉に疑問符が付きかねない内容のためだ。 「指摘のような事実はない」。菅義偉官房長官は29日の記者会見で、トランプ氏から批判を受けたのは事実か問われると、きっぱりと否定した。同じポスト紙が報じた日朝極秘接触の真偽をただされ、「報道の内容の一つ一つにコメントすることは控えたい」と論評を避けたのと対照的だ。 ポスト紙によると、トランプ氏が不満を爆発させたのは、首相が史上初の米朝首脳会談を前に日本の考えを伝えようと6月7日にホワイトハウスを訪れた時のこと。トランプ氏はこの席で「私は真珠湾を忘れていない」と発言し、日本の通商政策に「辛辣(しんらつ)な批判」を浴びせ