自然人類学を専門とする著者が、未だ見ぬ食を求めて世界中を旅し、ヒトの進化を軸に食の歴史を振り返る一冊だ。伝統的な昆虫食を探してタイやベトナムへ飛び、偶然辿り着いたインド西海岸では激辛カレーに火を吐き、学位論文調査のために訪れたパプアニューギニアではオオコオモリをむさぼる。自然体で現地の人々と触れ合う著者の観たもの、感じたこと、何より食べた物が実に軽やかな文章でつづられており心地が良い。明日にでもふらっと知らない街に出かけ、たまたま見つけたレストランに入りたい気持ちにさせてくれる。 著者を食の旅へと誘ったのは、こんな疑問だ。 現代に数多くの健康の問題が浮上してきたのは、祖先が守ってきた食習慣やライフスタイルを変えたことや環境の変化が原因ではないか この本では、世界中を旅して得られた経験に、食にまつわる最新の科学的な研究成果を織り交ぜることで、ヒトの祖先が何をどのように食べていたのかを明らかに
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