突然話が変わるようですが、私が10~20代を過ごした1970~90年代にかけて、「音楽を盛る器」に大きな変化がありました。デジタル化です。 もう少し端的に言うなら、それまでのLP盤などがお役ご免となってCDという新しいメディアが登場した、1980年代半ば頃の変化です。 高校生だった私にとって、一番ショッキングだったのは、実はCDの登場以前、LP盤で登場した「デジタル録音」という新方式の響きを聴いたときでした。 忘れもしない、ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団の演奏でバルトークの「管弦楽のための協奏曲」を聴いたのです・・・。 冒頭、コントラバスの旋律から曲が始まるのですが、弦楽合奏をしていた高校生の私には、従来の録音とは全く違う、まるでコントラバスの弓から松脂が飛び出してきそうな(合奏中にしばしば目にする光景ですが)、リアルな近接音が自分の部屋のオーディオセットから響いて、