殺生石(せっしょうせき)は、栃木県那須郡那須町の那須湯本温泉付近に存在する溶岩である。付近一帯に火山性ガスが噴出し、このガスにより鳥獣が命を落とす事例が古来知られてきた。「殺生」とは仏教における五戒のひとつで「いきものの命を奪う」意。 松尾芭蕉が『おくのほそ道』でこの地を訪れていることなどで知られ、国指定名勝となっている(2014年〈平成26年〉3月18日指定)[1][2]。 なお伝承上、この石に起源を持つと伝えられている石が全国にいくつかあり、それらの中に「殺生石」と呼ばれているものがあるほか、那須の殺生石同様に火山性ガスが噴出する場所で「殺生石」と呼ばれる石があるとする文献もある[3]。しかし単に「殺生石」といえば那須の殺生石を指すことが多い。 概要[編集] 付近一帯は硫化水素、亜硫酸ガスなどの有毒な火山ガスが絶えず噴出しており、「鳥獣がこれに近づけばその命を奪う、殺生の石」として古く