「今日でチームができて14年と7カ月。本当に何もないところから、それこそ草サッカーの状態から頂点を目指すということを信じて、一歩一歩進もうと頑張ってきました」 Jリーグ・ナビスコカップに優勝した1日夜、都内のホテルで行われた祝賀会のあいさつで、大分トリニータの溝畑宏社長は万感の思いでこう語った。 大分としてはもちろん、九州のクラブとして初の栄冠。予算規模も小さい、選手層も決して厚くないクラブでも優勝できたこと。そして、それを可能にしたシャムスカ監督の手腕。大分がナビスコカップを制した意義は、いくらでも挙げることができるだろう。だが、ここであえて強調したいのが、このクラブが「何もないところから」「14年と7カ月」でJのタイトルを獲得したという事実である。 大分が「大分トリニティ」として設立されたのは、Jリーグが開幕した翌年の1994年。県1部からスタートし、2年後にはJFL、5年後には