「昔淫売をやっていた」「娘にも淫売を強要」「旦那は強姦魔」「研究費を着服した」「不正に学位を取得」……。サイエンスライターの片瀬久美子さんに対するツイッター上での誹謗中傷は2年前のある日、始まった。片瀬さんが投稿者を相手取った損害賠償請求訴訟で、今年7月、投稿者に約264万円の支払いを命じる判決が下された。 片瀬さんの主張が全面的に認められた形となる。今回、中傷被害の実態や訴訟に至るまでの経緯、裁判の苦労などを、片瀬さん本人に聞いた。 ●「淫売」「旦那は強姦魔」といった誹謗中傷 ――ツイッター上での誹謗中傷投稿が始まったのはいつ頃で、それに対して片瀬さんは当時、どのように対応していたのでしょうか? 「書き込みが始まったのは2017年7月です。森友・加計問題に関する公文書開示について政府や行政機関には国民に対する説明責任があるといった趣旨のツイートをしたことで、一部の人達からの反発を受けたこ