福島原発事故を究明する国会事故調は28日、菅直人首相(当時)を参考人として事情聴取した。「ベント」「海水注入」「東電本店への乗り込み」…権威をかさに現場を混乱させたとされる時の最高権力者が、「3・11」直後の官邸の混乱ぶりを語った。 櫻井正史委員(弁護士、元名古屋高検検事長、元防衛省防衛監察監)から「なぜ現場視察に出かけたのか?」と問われた菅氏は「対策を取るうえで現地を見ることが極めて大切。官邸に原子力委員会や東電の方がいたが、根本的な状況についての話は全然出なかった」と答えた。 イラ菅としてはじっとしておられなかったのだろう。首相が来るとあれば、現場は対応で追われる。爆発を防ぐために懸命の作業を続けていた発電所の職員にとっては迷惑だったはずだ。作業が遅れ事故を拡大させたとも言われている。菅氏はそれを顧みようとせず、原子力委員や東電の頼りなさのせいにした。 最大関心事であり説が分かれるベン