『本の雑誌』2009年1月号(本の雑誌社)の椎名誠さんの「今月のお話」の一部です。椎名さんが、いままでのつくってきた数々の出版物(学級新聞からストアーズ・レポート、「本の雑誌」まで)の「編集長歴」について書き連ねてきた文章の最後の部分。 【『本の雑誌』の実質的な編集長をやっていたのは創刊して十年目ぐらいまでだったろうか。あとは目黒(孝二)が実質的な発行人兼編集長をやっておりぼくはモノカキの世界であっちこっち動きまわっていた。作家になって4年ぐらいして「白い手」という高校生のときに学校新聞で書いた掌編を長編小説に書き、それは東宝で映画化された。『本の雑誌』はその頃5万部になっていた。 2008年になって『本の雑誌』の経営が急に悪化し、このままでは「休刊」に追い込まれるかもしれない、と現経営者に聞き、これはいかん、と思い、ぼくはもう何年も前から実質的な編集現場から離れていたが、なんとか立ち直る