全世代型社会保障検討会議で発言する菅義偉首相(左端)=首相官邸で2020年12月14日午前10時57分、竹内幹撮影 現役世代の負担軽減か、後期高齢者への配慮か――。政府が12月15日に閣議決定した75歳以上の医療費窓口負担(原則1割)を2022年度後半から一部2割に引き上げることを柱とした「全世代型社会保障検討会議」の最終報告を巡っては、若者と高齢者、いずれに軸足を置くかを巡って菅義偉首相と公明党が激しく対立。事態は極度に緊迫した。迫る衆院選を前に自公両党には「高齢者の負担増」への抵抗感が強かったが、「現役世代の負担軽減」にこだわる首相は耳を貸さず、最後は自ら党首会談に乗り出して急転直下、妥結させた。「菅流」の政策決定とは。「8日間戦争」の舞台裏を現場から検証する。【横田愛、原田啓之、遠藤修平、立野将弘】 騒動の火種となった「首相の指示」 2日午後4時ごろ、首相官邸から走り出た1台の車が、