関西を拠点とする味噌会社のグループ企業が国(国税当局)から受けた約3億8500万円の課税処分の取り消しを求めた裁判の判決が3月23日、東京地裁(品田幸男裁判長)であった。 品田裁判長は「原告の請求はいずれも理由がない」と結論付け、請求を棄却した。原告側は「不当な判決」として控訴する予定だ。(ジャーナリスト・富岡悠希) ●原告は「松井味噌」のグループ企業 原告は、京都市にある「京醍醐味噌」。同社は、中国に5工場を構え、中国内で模造品が出るほどの高い知名度を誇る「松井味噌」(兵庫県明石市)のグループ企業だ。 松井味噌は3代目社長の松井健一さん(59)のもと、1990年代から中国・大連に進出。日本より大幅に安い大豆や米、塩などを使い味噌関連製品を作り成功させた。1980年代に約2億円だった年商は、2020年度には約80億円まで成長している。 積極経営を貫く松井さんは2010年代、国内で甘酒・塩糀
「血は水よりも濃い。(手助けすることは)本能です」。そう語るのは、安倍晋三元首相を銃撃したとされる山上徹也容疑者のおじだ。事件直後は自宅で山上容疑者の母と妹を保護していた。 迅速な行動に移せたのは、彼が元弁護士だからだ。母も妹も、重要な参考人。証拠を保全することが最優先だと考えた。そして、自宅にはこれまで世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と交渉した記録や、山上容疑者が自殺未遂した際の海上自衛隊の書類も、すべて書面で残っている。 最後の仕事は、本来子どもたちに渡るはずだったお金を旧統一教会から取り戻すこと。マスコミ対応も一手に引き受け、企業法務に携わってきた知見も入れながら新たな闘いに挑んでいる。 ●証拠保全が第一、書類は分厚いファイルに 久しぶりに顔を合わせた山上容疑者の母親は、ホームレスのようだった。やせていたし、ろくに食べていなかったように見えた。宅配でなんでも買っていいと言うと、食べ
牛丼チェーン「吉野家」は4月18日、同社の常務取締役企画本部長が、外部の社会人向け講座に講師して登壇した際、不適切な発言をしたとして、ウェブサイト上で「多大なるご迷惑とご不快な思いをさせたことに対し、深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。 問題となっているのは、早稲田大学の「デジタル時代のマーケティング総合講座」での発言だ。受講生と思われる投稿によると、常務取締役は講座で、若い女性を狙ったマーケティング施策を「生娘をシャブ漬け戦略」などとたとえる発言をしたという。ネット上で「性差別・人権侵害」などと批判されていた。 吉野家によると、一度利用した客の継続利用を図る意図のもとでの個人の発言だったという。同社は「言葉・表現の選択は極めて不適切でした。人権・ジェンダー問題の観点からも到底許容できるものではありません」としている。役員は講座翌日、主催者側に書面で反省の意と
「焼酎のお湯割りを友達に作ってあげたら酒税法違反になる」。こんなツイートがSNS上で話題になっている。過去にも自家製サングリアをつくると法的に問題になるとネット上で話題になったことがある。酒を混ぜたり割ったりすると、本当に酒税法違反になるのだろうか。国税庁酒税課に聞いた。(ライター・国分瑠衣子) ●酒と糖を混ぜると、アルコール度数が上がる場合がある 話題になったツイートは、9月下旬に投稿され1万4000件近くリツイートされた。以下のような内容だ。 『ひょんな事で酒税法を勉強してたら「酒類の混合は直前に消費者自身が行う場合のみ適用外」とあって、あれ?では「宅飲みとかで友人や同僚に焼酎のお湯割りとか作ったら違法なのでは?」と国税局に確認したら調査の結果「確かにご指摘の通り違法になってしまいますね」と返答をもらう。』 このツイートに対して「法律が現実的ではない」「日本中に広げて、お湯割りを部下に
ここ近年「監護者わいせつ罪」や「監護者性交等罪」という罪名をニュースで目にしたことはないだろうか。 2017年の刑法一部改正により新設され、親や養親などの監護者が、18歳未満の者に対して「監護者であることによる影響力」に乗じて、わいせつ行為や性交をした場合、これらの罪に問われるようになった。通常の強制性交等罪のように、暴行や脅迫などの行為がなくとも成立する。 多くの刑事裁判を傍聴するライターの高橋ユキ氏によれば、被告人となった父親たちの言動には、「ある共通点が見えたり、似た証言をすることがあった」という。それは一体、どんなものなのか。高橋氏の寄稿をお届けする。 ●傍聴にも一苦労 「監護者わいせつ罪」や「監護者性交等罪」に問われた事件の傍聴は、なかなか骨が折れる。 逮捕されたり、または有罪判決を受けた“監護者”たちの実名は報じられない。被害者は監護者の子である場合があるため、被害者秘匿の観点
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