新素材SiC繊維は、ボーイング737MAXやエアバスA320neoに採用されている(写真:Boeing、Fred LANCELOT/Airbus) 日本発の新素材が航空業界の将来をも左右しそうだ。その新素材とは炭化ケイ素(SiC)繊維。炭素とケイ素の化合物を繊維化したものだが、軽量かつ高強度で、耐熱性にも優れている。 SiC繊維を作るには炭素とケイ素を結合させた繊維状の物質を焼き固めなくてはならないが、焼き固める前の段階では飴細工のようにもろく、ほんの少しの刺激で粉状に砕けてしまう。しかも、温度条件に過敏に反応するので同じ品質のものを作ることが難しい。世界で製造できるのは日本カーボンと宇部興産の2社だけで、米国化学大手ダウケミカルや米国ガラス大手コーニングなどは途中で開発を断念した。 燃費改善は喫緊の課題 現在、航空機需要は拡大が続いている。グローバル化の進展により航空機を利用する人が増加
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