大阪大学蛋白質研究所の古川貴久教授と茶屋太郎准教授の研究グループは、明るい場所でも暗い場所でも環境の変化に応じて適切に物体を見ることができる機能(明暗順応) (図1) の分子メカニズムを明らかにしました。 私たちの視覚は、眼球の後ろにある膜状の神経組織の網膜が光を受容するところからスタートします。網膜で光を感知する細胞は視細胞と呼ばれています。視細胞には、暗い場所で働く桿体視細胞と明るい場所で働く錐体視細胞の2種類が存在しています。このうち、桿体視細胞は暗い場所では光に対する感度を上昇させ、一方で明るい場所では低下させることで、暗いところから明るいところまで適切に物を見ることができます (図1) 。光に対する感度を上げ下げする機能は、明暗順応と呼ばれ、我々の視覚に重要な役割を果たしています。しかしながら、桿体視細胞が外界の光の強度に応じて光受容感度を制御する分子メカニズムには謎が残っていま
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