(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長) とうとう恐れていたことが起きた パワー半導体を製造している社員約2000人の加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)で、新型コロナウイルス(以下、コロナ)のクラスターが発生し、同社は4月16日~30日の間、生産を休止した。 パワー半導体とは、発電、送電、充電、各種機器への給電とその制御など、電気があるところには、必ず使われる極めて重要な半導体である(詳細は後述する)。 4月17日付の同社のニュースリリースには、同社で5人および東芝半導体サービス&サポートで1人、合計6人の陽性が確認されたことが記載されている。 その後、石川県の地方紙、北國新聞が4月19日に、同社のクラスターが16人になり、4月27日には、そのクラスターが計20人に拡大したことを報じている。 世界の半導体業界では、3月18日に台湾のファンドリーのTSMCで、従業員1