難病を抱えた高校生の男女が結ばれ、短い生涯で愛し合うことを誓う-。三重県伊勢市を舞台にした同市出身の作家、橋本紡(つむぐ)さんの恋愛小説「半分の月がのぼる空」では、波田泉有(はだ・みう)さん(18)の殺害現場となった虎尾山をモデルにした場所も登場し、恋愛の「聖地」として熱心なファンが訪れる名所だった。 逮捕された男子生徒(18)は波田さんを殺害後、警察や消防に通報することなく、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で友人らに居場所を告げた。「ニャロメの塔にいる」。虎尾山頂にある記念碑には漫画キャラクター、ニャロメの落書きがあったことから地元でその通称で呼ばれ、同級生ら8人が駆けつけた。近所の住民によると、同級生らは集まった後、慟哭(どうこく)したという。 小説には死と隣り合わせの不治の病に侵された高校生の男女が登場し、アニメ化や映画化もされた。「アニメが好きだった」という波田さんが目にしたか