政府が推奨するマスクの着用ルールが緩和される。新型コロナウイルス感染拡大前の「マスクなし」が当たり前になるのはいつか。公衆衛生の観点とは別の要因もあり、すぐにコロナ禍前の風景には戻らないとの見立てがある。【安藤龍朗】 強かった同調圧力 「大半の人たちがマスクを外すようになるのは、5月の大型連休ごろではないでしょうか」。桜美林大学の山口創教授(健康心理学)は、そう予想する。政府のマスク着用ルールは3月13日に緩和されるが、「脱マスク」が広がるには、少し時間がかかるとみる。 感染が拡大した2020年、マスクの着用は瞬く間に日本社会に浸透した。「それから3年も着けていますからね。周囲の行動を見て自分の選択を決める、いわゆる同調圧力が日本社会はとても強いと実感しました」