逆転現象・新世紀エヴァンゲリオンの悲劇 § 1995年10月4日より放送開始された新世紀エヴァンゲリオンは、大人指向派と子供指向派の境界が消失したことから、思わぬ展開を引き起こした、と解釈できるかもしれません。 この作品は、一見して大人指向派向けのように見えつつ、実は強く子供指向派を指向した作品です。つまりは、何か凄いことをしているかのような気分になれるが、実は中身がない「衒学」的な作品でしかありません。(「衒学」とは庵野監督自身が自作を語る際に使う言葉) しかし、TVシリーズの最後の2話において、突如として子供指向派の世界観では受け入れられない、むしり裏切りとしか言いようのない内容を語り出します。 1980年代の状況であれば、大人指向派がアニメファンの言説の主導権を取り、それがいかなる社会的な意義を持つものかを説くことで、アニメファン世論の流れを作ることができたかもしれません。 しかし、