―― ガンダムであり、舞台が宇宙世紀であり、そして福井晴敏さんの小説がある「ガンダムUC」は、クリエイターにとっては取り組み方が難しい作品と感じられます。 古橋 私はずっと原作付きのアニメを監督してきたので、原作があることは何の問題にもなりませんでした。オリジナルの企画だったら私は呼ばれていないでしょうし、年代的にガンプラにはまらなかったせいか、宇宙世紀のハードルが高い、ということも実感がありませんでした。といっても「機動戦士ガンダムΖΖ」までのTVシリーズや劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」「機動戦士ガンダムF91」は見てましたし、近年の作品に対しても、まったく知識がなかったわけではないです。 ―― 今回、監督を引き受けられたきっかけは何だったのですか? 古橋 「機動戦士ガンダム」は、上京した年に始まった作品なので印象深いです。初心に返り、新たなスタートが切れるかなって。 ―― 原
「ほら、続編の「機動戦士Ζガンダム」では、ハロって商品化されてたって設定でしょ? なら、当然アムロの許諾を取って、オリジナルのハロの設計図を元に開発するってプロセスがあったわけで、そのために動いた人もいるはずなんですよ。 その人は宇宙世紀の玩具メーカー、スペース・バンダイの社員で、アムロのマスコットとして有名になったハロの商品化を思い立ち、戦後は消息が途絶えているアムロとなんとか連絡を取ろうとするわけです。元ホワイトベースのクルーの家を訪ね回ったりして。でもアムロの行方はようとして知れない。そうこうするうちに、アムロを危険因子として幽閉しようとしている連邦軍の情報機関が、『何者かがアムロを探し回っている』ってんでスペース・バンダイの社員をマークし始める。 で、誤解に誤解を重ねた末に、社員はすっかりお尋ね者になってしまう。本人はそんなこととは知らずに、ハロを商品化するためだけにアムロを追い続
―― 「機動戦士ガンダムUC」がついにアニメ化されましたが、その感想をお聞かせ下さい。 福井 やっとここまできた、という一言につきますね。具体的に「UC」というタイトルで始動したのは2006年ですが、それまでの準備を含めると6〜7年ですからね。ようやくお見せできる状態となってほっとしていますし、本当に頑張ってくれたスタッフにありがたさを感じています。 ―― アニメ化に際してどのような立ち位置で参加されたのですか? 福井 今まで携わってきた小説の映画化とは違って、「UC」のアニメ化に関する僕の言い出しっぺ率は非常に高いんです。なので、まずこちらに課せられた任務としては、「UC」の小説を商業的にも内容的にも失敗させないことでした。また、アニメ化の際に古橋監督やスタッフと話していたのは、アニメが現在置かれている状況から逸脱する作品を作ろう、ということでした。今のアニメ業界は、すでに咲く場所が決め
福井晴敏コメント 「たかがロボットアニメ」でもストーリーが語れる、ドラマも作れる、と世間に仕掛けてみせたのが「機動戦士ガンダム」でした。 現在の日本製アニメは、等しくその影響下にあります。それはもう子供のためのものだけではなく、海外からも注目される新たな表現媒体に成長しましたが、ではそこに豊穣かつ自由な物作り空気があるかと問われれば、残念ながらノーと言わざるを得ません。 アニメを見るのは大人ではなくオタク。間違いなく商材を買ってくれる彼らのために、美少女を出せ、お色気と派手なバトルを用意しろ……と、これはかつてロボットの玩具を売るためにロボットアニメが作られていたのと同じ構造です。いや、制約の多さという点では、状況はむしろ悪化していると言っていいでしょう。 ガンダムが誕生して、三十年あまり。そのタイトルを引き継ぐに当たって、我々はやはり仕掛けていかねばなりませんでした。 今という状況に対し
最近、福井さんにからんでいったらアクセスが伸びるし、コメントを貰って地意識が満たされるので、書く。 一箇所だけ。 福井 今回のターゲット層は大人なので、大人のキャラにも感情移入できるよう心がけてます。「初代」のような若者たちの話を、いくら大人向けに作り直しました、といっても懐古の産物にしかなりません。 「初代」には、終身雇用の幸せな時代における師弟関係があって、ランバ・ラル的な立ち位置の人が魅力的に見える。主人公のアムロがホワイトベースという宇宙戦艦の閉鎖環境の中で一人前になっていくことが、社会の中で一人前になっていくこととリンクできました。 けれど、明日リストラされるかもしれない今の世の中では、その道ひと筋でやってきた師匠の言うことを聞いて、それに追いつけば輝かしい明日がある、ってことにはならない。 そういう現実に対して向けた物語なので、「UC」の主人公のバナージもひとつの場所に留まって
未来の物語の続編を完結編として描く ―― 福井さんが小説を手掛けた「UC」がアニメ化されますが、構想の当初からティーン向けではなく、30代に向けた内容にしたのは何故でしょうか? 福井 30代後半以降の我々の世代は、人格が形成される10代の大事な時期に、幸か不幸か「初代」や「Ζ」などにぶつかってしまったんですね。ガンダムシリーズの何が特殊かというと、世の中ってこういうものだよ、ということを嘘偽りなく教えてくれるコンテンツだったこと。実際、冷戦終結以降の民族紛争、9.11テロに至る流れなんかは、ガンダムシリーズで先に予習していたって気分もないじゃないわけで。みんな、どこか引っかかるものが残っているんじゃないかな。 ―― それは、すべてのガンダムシリーズに通じるのでしょうか? 福井 21世紀以後に作られたガンダムシリーズは、その時代のティーンに語りかけている話ですから、我々の世代が受け取ったその
3本目のPVが良い感じで、期待の高まる『機動戦士ガンダムUC』。亡国の姫君としてミネバ・ザビが登場するとか、しないとか(いや、髪型でバレバレですが…)。 ミネバは、ザビ家に生まれながら1年戦争を生き延び、『機動戦士Zガンダム』でジオン軍の忘れ形見として、アクシズと共に歴史の表舞台に姿を現わす。 その『機動戦士Zガンダム』制作時の絵コンテを見ると、ミネバの登場シーンに興味深い書き込みがある。 (注)ミネバ女の子にします。男ではダメの異論多し! と、富野監督の注意書きが加えられている。かなりギリギリまで「男の子」の予定が、土壇場で変更になったようです。(何故!?) もしもこの時、男の子の設定で通していたら(周囲が異論を挟まなかったら)、『機動戦士ガンダムUC』のヒロインは、男の娘に…あ、いやいや。多分、別の物語になっていたはず…と思うと、この注意書きは歴史の転換点ですね。 (ちなみに、ドズ
機動戦士ガンダム00大失敗の理由を考えるpart654 406 :通常の名無しさんの3倍:2010/01/30(土) 13:35:44 ID:??? ・アニメーションの動きやタイミングはF91のような重さを出そうというスタッフ間のコンセプトがある(古橋) ・ファーストがガンダム観の根底(古橋) ・福井の小説を全部緻密に描写してたら1巻の倍でも収まるかどうか分からない(古橋) ・るろうに剣心で古橋の仕事を熟知していた小形尚弘Pが古橋に打診 ・MS戦に求めるのはメカというよりもキャラクター性を持ったもの(小形) ・TOAのOPを見て確信し古橋に決めた(小形) ・むとうは古橋が呼んだ ・むとうはオリジナルやアレンジでこそ本領を発揮する(古橋) ・むとうは福井に敬意を払いつつこう表現したいという折り合いをつけるのに苦労している(古橋) ・登場人物にオヤジが多いガンダムなのでSEEDや00とはファン
機動戦士ガンダムUC (9) 虹の彼方に (上) (角川コミックス・エース 189-11) 作者: 福井晴敏出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/08/26メディア: コミック購入: 12人 クリック: 48回この商品を含むブログ (87件) を見る 機動戦士ガンダムUC (10) 虹の彼方に (下) (角川コミックス・エース 189-12) 作者: 福井晴敏出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/08/26メディア: コミック購入: 13人 クリック: 71回この商品を含むブログ (88件) を見る ようやく終了、いや長かった。一応、何だかんだできちっと終わって見せた、といったところでしょうか。 相変わらずやたら描写が細かいので、シーンとしてはほんのちょっと進んだだけなのに、ふと指を挟んだページを見るといつの間
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