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ブックマーク / traindusoir.hatenablog.jp (106)

  • 真の失業率──2014年12月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 12月の完全失業率(季節調整値)は3.4%と前月よりも0.1ポイント改善した。真の失業率も3.6%と前月よりも0.1ポイント改善した。完全失業率、真の失業率ともに改善しており、引き続き、真の失業率は減少基調となっている。 先月までは、真の失業率の減少基調にもやや陰りがみられていたが、今月の真の失業率は、試算値である季節調整値(下のCSVファイルを参照)でみても大きく減少した。 なお、真の失業率の推計に用いる潜在的な労働力人口(比率)は、1年間の数値が確定した段階で新たに計算し直すこととしているが、今回はその作

    真の失業率──2014年12月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年11月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 11月の完全失業率(季節調整値)は3.5%と前月と同水準となった。真の失業率も3.7%と前年と同水準となった。完全失業率、真の失業率ともに、足許、横ばいであるが、小数点第2位以下の変化も含めてみれば、真の失業率の減少基調に変化はない。 季節調整値でみた雇用指標の動きは一進一退であり、真の失業率の減少基調にもやや陰りがみられる。ただし、今年4月以降の景気のミニ調整局面を踏まえれば、遅効指標である雇用に弱さが現れても不思議ではない。 なお、今月の賃金統計の評価は難しく、物価と給与の推移については、11月分確報の

    真の失業率──2014年11月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年10月までのデータによる更新 - 備忘録

    ※物価と給与の推移について追記しました。(12/04/14) 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 10月の完全失業率(季節調整値)は3.5%と前月よりも0.1ポイント低下した。真の失業率も3.7%と0.1ポイント低下した。完全失業率は、足許、総じて横ばいであるが、真の失業率の低下は順調であり、完全失業率との乖離幅は0.2ポイントとなった。 季節調整値でみた雇用指標の動きは一進一退であり、雇用情勢には今だ改善のモメンタムが感じられるものの、先行きの評価は困難である。ハローワークの求人の動向も、やや気がかりである。 ただし、景気の全般的な動きとし

    真の失業率──2014年10月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年9月までのデータによる更新 - 備忘録

    ※物価と給与の推移について追記しました。(11/05/14) 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 9月の完全失業率(季節調整値)は3.6%と前月よりも0.1ポイント上昇した。一方、真の失業率は3.8%と0.1ポイント低下した。真の失業率の低下は順調であり、完全失業率との乖離幅は0.2ポイントとなった。 完全失業者数は季調前月差で増加したが、非労働力人口は減少している。これまで、ブログでは雇用情勢が転換期にさしかかった可能性を指摘してきたが、いまだ、雇用情勢には改善のモメンタムが感じられる結果となっている。 一方、『家計調査』でみた実収入や消

    真の失業率──2014年9月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年8月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に 就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 8月の完全失業率(季節調整値)は3.5%と前月よりも0.3ポイント低下した。真の失業率も3.9%と0.2ポイント低下した。真の失業率の低下は順調であり、完全失業率との乖離幅は0.4ポイントとなった。 先月のエントリーでは、完全失業者数の前年差での減少幅が縮小傾向にあったことなどから、「雇用情勢は、ここにきて、転換期を迎えているようにもみえる」と記載したが、今月は完全失業者数が大幅に減少しており、評価の難しい結果となった。 また、物価が上昇する中、実質でみた給与や消費も減少が続いている。物価の上昇は、実質賃

    真の失業率──2014年8月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年7月までのデータによる更新 - 備忘録

    CSVファイルに真の失業率の季節調整値(X-12-Arima、レベルシフト調整を含み、モデルは自動設定)を追加しました。(08/31/14) 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 7月の完全失業率(季節調整値)は3.8%と前月よりも0.1ポイント上昇したが、真の失業率は4.1%と0.1ポイント低下した。真の失業率は概ね0.1 ポイントずつ、順調に低下しており、完全失業率との乖離幅は0.3ポイントまで縮小した。ただしこれは、真の失業率を後方12カ月移動平均によって計算していることが寄与しており、足許の数字をみると、就業者(季調前月差、以下同じ)

    真の失業率──2014年7月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年6月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 6月の完全失業率(季節調整値)は3.7%と前月よりも0.2ポイント上昇したが、真の失業率は4.2%と0.1ポイント低下した。真の失業率は概ね0.1ポイントずつ、順調に低下しており、完全失業率との乖離幅は0.5ポイントまで縮小した。真の失業率は、今月は完全失業率と逆方向の動きとなったが、これは非労働力人口の減少幅が拡大したためである。完全失業者をみても、自発的離職失業者や新たに求職した者を中心に増加しており、雇用情勢は総じて堅調である。 また、先月と同様、雇用は改善し、物価が上昇する中、『家計調査』による勤労

    真の失業率──2014年6月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年5月までのデータによる更新 - 備忘録

    CSVファイルに、移動平均前の各月分の真の失業率を追加しました。(06/28/14) ※2014年3月分のデータに誤りがあったため、グラフおよびCSVファイルの3月以降のデータを修正しました。(06/29/14) 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 5月の完全失業率(季節調整値)は3.5%と前月よりも0.1%低下し、真の失業率も4.3%と0.1ポイント低下した。真の失業率は概ね0.1ポイントずつ、順調に低下しており、完全失業率との乖離幅は0.8ポイントまで縮小している。 雇用は改善し、物価が上昇する中、『家計調査』による勤労者所得はそれほど

    真の失業率──2014年5月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年4月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 4月の完全失業率(季節調整値)は3.6%と3カ月連続で同水準になったが、真の失業率は4.4%と0.1ポイント低下した。真の失業率は概ね0.1ポイントずつ、順調に低下しており、完全失業率との乖離幅は0.8ポイントまで縮小した。 雇用の改善は引き続き堅調であるが、労働市場のタイト化による給与の上昇局面はなかなか現れない。局面変化の兆しが感じられないことから、現下の雇用情勢が完全雇用に近づいてるという見方には、ますます懐疑的になっている。 https://dl.dropboxusercontent.com/u/1

    真の失業率──2014年4月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2013年10月までのデータによる更新 - 備忘録

    ※給与の増減率のグラフについて、足許のデータが比較可能になるよう、年率に修正し、追記を加えました。(12/02/2013) 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 完全失業率(季節調整値)は4.0%と前月と同水準であるが、真の失業率は前月に引き続き順調に低下し、4.8%となった。この結果、完全失業率 (公表値)と真の失業率との乖離幅は0.8ポイントまで縮小した。 このように、雇用の「量」の改善は進んでおり、リーマン・ショック前の状況にほぼ到達している。ただし、雇用の「質」の改善はほとんど進んでいない。役員を除く雇用者に占める非正規雇用者の割合は、月

    真の失業率──2013年10月までのデータによる更新 - 備忘録
    prisoneronthewater
    prisoneronthewater 2013/12/03
    量の改善が充分に進まないと質の改善は進まなさそうやね。消費税増税反対。
  • 労働生産性の日米比較 - 備忘録

    1990年代以降の経済については、米国では順調に成長が続いた一方、日では「失われた10年」とよばれるような長期にわたる停滞があったことが対比的に論じられている。ところが、従業員1人あたりでみた実質付加価値額、すなわち従業員単位でみた労働生産性については、1980年を基準としてみた場合には、いまだ日の方が高い水準にある。少子高齢化が進む日では、労働者1人あたりの資装備はしだいに高まることから、労働生産性は上昇し、賃金も高まり、人々の生活はより豊かになってゆくとの楽観的な見通しは、ひと頃、盛んに取り上げられたものである。 実際に、従業員1人あたりの実質付加価値額の推移を1995年を基準としてグラフにすると、つぎのようになる(使用したデータは、すべてEU KLEMS DATABASEによる)。 日の労働生産性は、1980年代の急激な上昇過程から、1990年を境として屈折し、その後、米国

    労働生産性の日米比較 - 備忘録
  • 米国の「日本化」? - 備忘録

    最近公表された米国のSNA統計をみると、米国経済は、このところ踊り場的局面を迎えつつあり、雇用については、しばらくは厳しい情勢が続くことが見込まれている。実質GDPの対前期比は0.3%の増加であるが、消費の伸びはゼロとなっている。 一部では、米国国債の格付けの低下を受け、米国の「日化」とよび、米国経済が日のように「失われた10年」に突入することを懸念する向きがあることが指摘されている。 http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2628 しかしながら、この指摘については、理解することは困難である。確かに、米国経済の今後の行方は予断を許さないものであり、雇用情勢の厳しさについてはいうまでもない。ところが、GDPデフレーターをみると、輸入物価の上昇がマイナス寄与を与えているものの、国内需要のデフレ傾向については、おおむね払拭されている。

    米国の「日本化」? - 備忘録
    prisoneronthewater
    prisoneronthewater 2011/08/16
    "GDPデフレーターをみると、輸入物価の上昇がマイナス寄与を与えているものの、国内需要のデフレ傾向については、おおむね払拭されている。"
  • 東北6県の所得の低下とその要因 - 備忘録

    先日のエントリーで触れた東北6県における1人あたり雇用者報酬について、もう一度取り上げてみたい。今回は、1998年度と2008年度とを比較してみる。 このようにしてみると、東北6県の所得水準は全国平均よりも総じて低い。特に、北東北3県では低く、しかも、この10年間に大きく落ち込んでいる。この落ち込み幅は、秋田県において、特に著しいものとなっている。 一方、山形、福島の2県では、1人あたり雇用者報酬の落ち込み幅はそれほど大きなものではない。 地域的に異なる所得の変動が生じた理由を探ることにする。1人あたり雇用者報酬を決定する要素には、主として、労働生産性、労働分配率、物価の3つがある。先日のエントリーでも触れたように、生産性が高まり、例えば、1人の労働者が生産する商品の量が増加すれば、その販売によって得られる収益は増加し、賃金を引き上げる余地が生まれる。しかし、市場に供給される商品の量が増加

    東北6県の所得の低下とその要因 - 備忘録
  • 自殺率を説明する各種指標に関するメモ - 備忘録

    1.今回の分析では、1人あたり雇用者報酬と有効求人倍率を、それぞれ所得、雇用に関する指標として別々にあつかった。一方、既存研究では、完全失業率など雇用に関する変数に一元化して回帰するケースが多い。この点については、つぎのような二つの事例から、その意味を考えることができる。 需要が収縮すると、企業には、休業によって生産量を削減する一方、雇用者には休業手当を支払って雇用を維持する傾向がみられる。この場合、雇用は悪化しないが、労働の限界生産性は低下するため、賃金は低くなる。 雇用情勢が悪化すると、ハローワークが中心となって求人の確保に努める。この場合、生産の拡張や欠員にともなう求人の場合よりも、提示される賃金は低くなる。 これらの場合、所得と雇用にはトレード・オフの関係が生じる。また、こうして確保された雇用は、需要の増加で生まれる雇用とは性格の異なるものであるといえ、行政のパフォーマンスという面

    自殺率を説明する各種指標に関するメモ - 備忘録
  • 所得と自殺率の相関性(補足・その3) - 備忘録

    これまでのエントリーの締め括りとして、自殺率を被説明変数とするパネルデータを分析する。今回用いる自殺率は、自殺予防総合対策センター『自殺対策のための自殺死亡の地域統計1973-2009』に掲載されている男性の年齢調整自殺率(1996〜2008年)とし、説明変数は、1人あたり雇用者報酬と有効求人倍率とした。なお、年間日照時間のデータは入手できなかったため、今回の分析では含めていない。このため、都道府県ごとの日照時間の違いは、その他の異質性とともに「固定効果」に含まれることとして解釈される。 なお、パネルデータの分析では、モデルの選択に細心の注意が必要であり、誤ったモデルを用いれば、結論は事実と異なるものとなる。*1今回は、一般的なつぎの3種類のモデルによって推計を行い、統計検定によって評価を行う。 ・プールドモデル すべてのデータを一括して(時系列、クロスセクションの区別なく)扱い、通常の最

  • 所得と自殺率の相関性(補足・その2) - ラスカルの備忘録

    前回までのエントリーにおいて残された、自殺率を説明する所得水準、高齢化以外の要因を探るため、今回は、説明変数に有効求人倍率、年間日照時間、ソーシャル・キャピタルの水準(SC指数)を加えたモデルで回帰分析を試みる。被説明変数は、前回同様、クロスセクション型年齢調整自殺率とし、年間日照時間は気象庁「気象庁年報」による気象官署所在地別の年間日照時間(2005年)、SC指数は日総研『日のソーシャル・キャピタルと政策』において試算された地域別SC総合指数(2007年)を天下り的に利用した。モデル1では、説明変数を1人あたり雇用者報酬、有効求人倍率のみとし、モデル2ではこれに年間日照時間を、モデル3ではさらにSC指数を加えて推計している。 結果をみると、まず、有効求人倍率は1人あたり雇用者報酬とともに自殺率と有意に関係している。1人あたり雇用者報酬は雇用者に関係する指標である一方、有効求人倍率は労

    所得と自殺率の相関性(補足・その2) - ラスカルの備忘録
  • 所得と自殺率の相関性(補足) - ラスカルの備忘録

    前回のエントリーでは、都道府県別のクロスセクション・データによって、所得水準と自殺率の間に相関性があることを確認した。ただし、この分析では、高齢化率が所得水準と自殺率の双方に関係をもっているため、見かけ上、所得水準と自殺率の間に相関性が生じている可能性を排除することができない。すなわち、高齢化が進んでいる都道府県ほど就業率が低下しており、消費の停滞と物価・所得の下落が大きくなるとともに、健康不安がより高まることで自殺率も上昇する、といった説明の仕方も可能である。今回は、都道府県別に異なる高齢化の水準を調整した自殺率を推計し、これと所得水準との相関関係を確認することで、上述のような指摘の可能性に一定の回答を与えることを試みる。 まず、都道府県別自殺率を20〜29歳、30〜39歳、40〜49歳、50〜59歳、60〜69歳の各年齢層別に計算する。使用したデータは、内閣府『平成21年地域における自

    所得と自殺率の相関性(補足) - ラスカルの備忘録
  • タイラー・コーエン『大停滞』 - 備忘録

    The Great Stagnation: How America Ate All the Low-Hanging Fruit of Modern History, Got Sick, and Will( Eventually) Feel Better 作者: Tyler Cowen出版社/メーカー: Dutton発売日: 2011/06/09メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 53回この商品を含むブログ (6件) を見る 原題は"The Great Stagnation - How America Ate All The Low-Hanging Fruit of Modern History, Got Sick, and Will (Eventually) Feel Better"。数ヶ月前に話題になったエッセイだが、今更ながらその要点を整理してみたい。 書がとりあげるの

    タイラー・コーエン『大停滞』 - 備忘録
  • 東北・関東大震災の経済的影響を考える(2) - 備忘録

    前回のエントリーでは、震災によって経済の供給面が大きな打撃を受けたときには、必ずしも需要の収縮がそれにともなって生じるわけではなく、経済は次第に回復に向かう傾向があることを阪神・淡路大震災前後の経済指標によって確認した。ただし、震災からの復興には当然のことながら多大なコストを要する。今回は、復興支援のための政府の財源をどのように調達すべきなのか、最近ネットでみかけた提言を2つとりあげて検討してみることにしたい。 矢野浩一『震災復興における所得移転と通貨発行益の活用:あるニューケインジアンからの提案』 この論文では、(1)流動性制約下の家計を考慮に入れたニューケインジアンモデルと、(2)通貨発行益を考慮に入れたニューケインジアンモデルの2つのモデルによって、復興支援のための財源をどのように調達すべきかを検討している。具体的には、赤字国債の増発と増税にはそれぞれ弊害があることを踏まえ、所得移転

    東北・関東大震災の経済的影響を考える(2) - 備忘録
  • 東北・関東大震災の経済的影響を考える(1) - ラスカルの備忘録

    ※表題を変更しました。(03/22/11) 3月11日の地震では、東北地方太平洋沿岸を中心に甚大な被害が生じました。被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。 大震災の直後は、まずは人命救助と被災された人々に対する生活支援が優先されることになるが、時を経るにしたがい、これにともなう経済的な影響や雇用への影響が議論されることになる。今回の震災は、地震の規模、地域的な範囲とその産業構造、また今回特に問題とされている電力供給面での制約など、1995年1月の阪神・淡路大震災とは、単純に比較することのできないものであるが、これから先の経済動向を考える上での参照点とするため、1995年前後の近畿地方における経済指標の動向を全国と比較してみておくことにしたい。 まずは、実質GDPであるが、震災が起きた1994年度の実質GDPは、全国はプラスであったのに対し、近畿地方はマイナス1.3%となっている。

    東北・関東大震災の経済的影響を考える(1) - ラスカルの備忘録