「血管の老化」によって亡くなる人は年間30万人超 私たちの体は加齢とともに衰えていく。普段はあまり意識することはないが、全身に張り巡らされた「血管」も加齢とともに老化する。血管の老化で特に問題になるのは、動脈の老化。動脈はご存じの通り、心臓の拍動によって送り出された血液を、全身の組織へと運ぶ血管だ。若い世代の動脈は、肌と同じように柔らかくしなやかで、血管の壁も薄い。ところが、年齢を重ねるにつれて、動脈のしなやかさは失われて硬くなり、血管壁も厚くなっていく。 動脈の老化が進めば、血液に含まれる酸素や栄養素が体の隅々まで届きにくくなり、各臓器や器官の機能が低下するなどの問題が起こってくる。さらに怖いのは、血管の老化自体が、命を脅かす病気の元凶になることだ。狭心症や心筋梗塞といった心臓の血管の病気、脳梗塞や脳出血といった脳血管の病気は、動脈が老化した状態である「動脈硬化」が原因となって引き起こさ