新型コロナウイルス禍、ロシアによるウクライナ侵攻と想定外の危機の連続が企業心理に影を落としている。日銀が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業の景況感は製造業、非製造業とも7四半期ぶりに悪化。日本経済全体への影響が懸念される。コロナ禍の収束が見えない中、ウクライナ危機が資源や原材料価格の高騰に拍車を掛けており、これまでなかなか転嫁が進まなかった販売価格にも「値上げの波」が迫りつつある。 【図解】大企業非製造業の仕入れ・販売価格判断指数の推移 ◇コスト削減で吸収できず 「企業努力は限界。苦渋の決断だった」。1日からショートケーキなど一部商品を値上げした銀座コージーコーナー(東京)の幹部は声を絞り出した。小麦、乳製品、砂糖など、洋菓子の主な原材料の仕入れ価格は軒並み上昇。商品の絞り込みなどでコスト削減を進めたが吸収し切れなかった。政府が買い付けて国内の製粉業者に売り渡す輸
ウクライナ南部ミコライウ動物園で飼育されているカバ(2022年3月22日撮影)。(c)BULENT KILIC / AFP 【3月31日 AFP】ウクライナ最大を誇るミコライウ(Mykolaiv)動物園。飼育頭数4000に上り、120年以上の歴史がある動物園は今、ロシア軍のロケット弾が着弾する日が続いている。 街には空襲警報が鳴り響く。市内には、黒海(Black Sea)に面する港湾都市オデッサ(Odessa)を目指すロシア軍にとって要所となる川が流れている。 動物園に最初のロケット弾が着弾したのは2月27日。トラ舎とホッキョクグマ舎の間の通路が破壊された。このロケット弾は現在、園内の博物館に展示されている。 職員にも動物にもけがはなかった。しかし、「強いストレス」となった出来事だったと、ウォロディミル・トプチー(Volodymyr Topchyi)園長は話す。園から600メートル離れた場
新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が定着した家庭の家計に、エネルギー資源価格の高騰が重くのしかかっている。今冬は液化天然ガス(LNG)や原油などの価格高騰で電気代が値上がりした。春になり電力使用量が減る家庭も多いが、出口の見えないウクライナ情勢と、円安の影響で、冷房代などで再び電気代がかさむ夏までに資源価格が抑えられる見通しは立っていない。 【イラストでみる】4月から暮らしはこう変わる 大手電力10社と大手都市ガス4社が発表した5月の家庭向け電気・ガス料金は、4月と比べ全社が値上げ。LNGなどの輸入価格高騰と、電気料金に上乗せする再生可能エネルギー賦課金の上昇を反映したもので、電気料金は比較可能な過去5年間で最高という。 在宅勤務の定着で、家にいる時間が長くなれば光熱費が家計への重荷となる。大阪市内の製造業に勤める会社員男性は「増えた光熱費は仕事でかかる経費。在宅勤務の指示で定期代は支
ロシアがウクライナに侵攻を開始してから1か月以上経ちますが、いまだロシアは完全な航空優勢を確立できずにいます。なぜロシアは手こずるのか、そこには旧ソ連式とNATO式の両方を習得したウクライナ防空部隊の強さがあるようです。 制空権とれないなら防空能力高めよう 2022年2月24日から始まったロシア軍のウクライナ侵攻ですが、両国の軍事力の格差を考慮すると、ウクライナ軍は1か月以上もの期間、よく善戦しているといえそうです。 特にロシア軍は侵攻初期に航空優勢を獲得し、地上部隊に空から強力な支援を与えて戦いを有利に展開すると予想されていただけに、いまだウクライナ軍に対する完全な航空優勢を得ていないことが解せません。なぜそのような状況が続いているのでしょうか。 拡大画像 訓練で実弾を射撃するウクライナ陸軍の9K35「ストレラ-10」(SA-13「ゴーファー」)地対空ミサイルシステム(画像:ウクライナ国
アメリカがウクライナに供与し、陸上自衛隊も導入を検討している「自爆型ドローン」。技術的には無人かつ自動で標的を攻撃することもでき、戦術を大きく変える可能性を秘めていますが、人間の倫理観とせめぎ合っている側面もあります。 ウクライナへの追加支援に「戦術無人機」100機 2022年3月17日、アメリカのジョー・バイデン大統領が、ロシアから侵攻を受けているウクライナに対して、総額8億ドルの追加の軍事支援を行なうと発表しました。 ホワイトハウスは追加軍事支援の中に「戦術無人機」100機が含まれていることを明らかにしていますが、同日付のブルームバーグやロイターなど主要メディアは、この戦術無人機が「スイッチブレード」であると報じています。 拡大画像 アメリカがウクライナに供与すると報じられた「スイッチブレード」の運用イメージ(画像:エアロバイロンメント)。 アメリカのエアロバイロンメントが開発したスイ
ロシア軍の包囲が続くウクライナ南東部のマリウポリでは、取り残された住民の避難が難航しています。赤十字国際委員会は1日、住民の避難支援を目指したものの、スタッフが市内に入れずに断念したと明らかにしました。 ウクライナ南東部・マリウポリには、ロイター通信によりますと、最大17万人の市民が取り残されています。 赤十字国際委員会は1日、バスや自家用車などでの住民の避難を支援するため、チームを向かわせていましたが、市内に入れず引き返したと発表しました。「2日に再び試みる」としています。 赤十字のチームは、マリウポリに運ぶ医薬品などの人道支援物資を準備していましたが、積み込むことは許されなかったということです。 ウクライナ側は、「ロシア側が住民避難に関する約束を履行していない」と非難しました。 こうした中、ロシア政府は1日ウクライナ軍のヘリがロシア領内のベルゴロドに侵入し、燃料貯蔵所を攻撃したと発表し
ウクライナでの戦況やロシア軍の動きなどについて、欧米側が機密情報をあえて公開する“情報戦”が激しさを増しています。プーチン大統領はこれをどうみているのか、欧米側の狙いはどこにあるのか、詳しく解説します。 ◇ アメリカやイギリスは、ロシア・プーチン政権内部の機密情報を相次いで公開しています。 ホワイトハウスの広報部長は、「プーチン氏は、側近から、ロシア軍の戦況がいかに良くないかや、経済制裁による影響について、誤った情報が伝えられている」と発言しています。この理由について、「側近らはプーチン氏が怖くて、真実を伝えられていないからだ」としています。 バイデン大統領は先月31日、「確かなことは言えないが、プーチン氏は自ら孤立しているようだ」と指摘し、「プーチン大統領が一部の側近を更迭したり自宅軟禁したりしている兆候がある」と発言。正しい情報を上げなかった側近に対して、更迭したり、自宅軟禁していると
北朝鮮国民は、自国の行う核実験、ミサイル実験には否定的な反応を示すことが多い。実験の巨額の予算を投入するなら、経済難、食糧難をどうにかしてくれと言ったものだ。 北朝鮮は国内メディアを通じ、24日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射を行ったと発表したが、案の定、国内ではこれを非難する声が上がっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 平安北道(ピョンアンブクト)龍川(リョンチョン)郡の幹部は、携帯電話の労働新聞アプリで最高尊厳(金正恩総書記)がミサイル発射を断行せよとの命令を下したの記事を読み、彼が本当に人民の指導者なのかと疑念を覚えたと述べた。 また、「現在、協同農場では農作業の準備に必要な肥料や資材がなく農民たちが苦労しているが、外貨を使ってミサイルを新たに開発し、それを飛ばしたことで満足するのが人民のための指導者のあるべき姿か」と批判した。 もちろん、
「その2・『非武装中立』は中露に都合が良くても日本の安全を守りはしない」でみてきたように、ウクライナ侵攻の結果、もはや戦後体制下での安全保障の常識・価値観は通用しない世界になってしまった。国連安保理5ヵ国による秩序管理の体制は崩れ、米中2ヵ国が世界を仕切ることになる。しかし、そのことは日本と東アジアが対立の最前線になることを意味している。 【写真】ウクライナ戦争で突きつけられた日本人にとって不都合な「核」の真実 「米中対立」と言われるが、アメリカは、中国とは戦争ではなく、長期的な大国間競争をしている。ロシアはウクライナ戦争で決定的に凋落するであろうが、巨大化した中国に対しては「爆縮」など起こさせるわけにはいかない。現実の問題として、中国はもっともっと成長する。もはや経済規模で日本の3倍である。この先、アメリカに並ぶか並ばないかというところまで行って、ようやくピークアウトするだろう。この先、
<ステルス機がオーバーランし水没、さらにその動画が流出。さらなる失態は許されなかった> 米海軍第7艦隊は南シナ海で空母への着艦に失敗して海中に沈んだ最新鋭戦闘機F35Cライトニングの捜索、回収作業を行っていたが、3月2日に海底からの機体回収に成功したと3日に発表した。 1月24日に沈没したF35Cを巡っては事故海域の南シナ海の大半で一方的に海洋権益を主張している中国がF35Cのステルス性能や最新鋭のIT技術が満載の機体への関心から独自の機体発見回収に乗り出す可能性も指摘され、米海軍は総力を挙げての回収作戦を展開していた。 水深3000から3500メートルという深海であることから数カ月要するとの見方もあった作業は事故発生から37日間で回収に成功したことで、米海軍の機体回収に対する強い決意が反映される形となった。 着艦直後に炎に包まれ海面墜落 事故は1月24日、フィリピン・ルソン島西方の南シナ
世界各国でプーチンとその側近らに対する資産凍結措置が強化されている。本誌(「週刊新潮」)3月24日号で報じたラブロフ外相のダミー会社の存在についても日本の関係省庁が関心を示す一方で、ロシアの反体制派指導者が暴くプーチン・ファミリーの腐敗は底知れぬ闇をのぞかせていた。 【写真12枚】前線で戦うウクライナ軍の女性兵士たち。笑顔で抱き合うグループ写真も *** プーチン最側近の一人であるラブロフが、通称「青山ハウス」と呼ばれる“秘密拠点”を都内に持ち、コロナ禍前までは来日のたびに同ハウスを愛人との密会に利用していたことは本誌3月24日号で既報の通り。ロシアの諜報活動を捜査する警視庁公安部外事1課(通称・ソトイチ)はこの動きを長期間、監視していた。 その愛人の名は〈スヴェトラーナ・ポリャコーヴァ〉。昨年9月、ロシアの反体制派で野党指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏がプーチン政権の腐敗を告発した一連の
ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニーロフ書記は1日、ウクライナはロシア西部べロゴロドの燃料貯蔵施設を攻撃していないと述べた。3月撮影(2022年 ロイター/Joshua Roberts) [リビウ 1日 ロイター] - ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニーロフ書記は1日、ウクライナはロシア西部べロゴロドの燃料貯蔵施設を攻撃していないと述べた。 ロシア国防省は、ウクライナのヘリコプター2機が低高度で飛行しながらロシア領内に入り、国境から約35キロの地点にあるベルゴロドの燃料貯蔵庫を攻撃したとしている。 これについてダニーロフ書記はウクライナ国営テレビで、「ロシアは何らかの理由でウクライナが攻撃したとしているが、われわれの情報に基づくと現実と一致しない」と述べた。 べロゴロドはロシア軍の重要な兵たん拠点の一つ。ロシアは今回の攻撃でウクライナとの和平交渉に影響が及ぶ可能性があるとしている
ロシアのウクライナ侵攻は、パレスチナ、レバノン、イエメンなど、すでに何百万人もの人々が必死に生き延びているアラブ世界の食卓のパンを減らすことになるかもしれない。アラブ地域はロシアとウクライナからの小麦に大きく依存しており、主食である小麦の不足は社会不安を招く恐れがある。(PHOTOGRAPH BY MAJDI FATHI, NURPHOTO VIA GETTY IMAGES) ジョナサン・クリボーンさんは、本来であれば今ごろ、冬小麦の畑に肥料を散布していたはずだ。手配しておいたトウモロコシとヒマワリの種を受け取り、4月1日までに種まき機を稼働させる準備をしていたはずだ。ウクライナ西部のリビウ近郊にある自分の農場で、ウクライナ人の妻と3人の息子たち、飼い犬と一緒に、春を満喫していたはずだ。 しかし、アイルランド人移民のクリボーンさんが実際にしていることと言えば、ほかのウクライナの農家がここ最
ウクライナ西部からルーマニア、ザルネシュティにあるクマの保護区まで、30時間かけて車で移送されたユーラシアヒグマのマーシャ。ロシアのウクライナ侵攻によって、何千もの動物が居場所を失っている。(PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST) ロシア軍の侵攻によりウクライナから、女性や子ども、老人ら多くの難民が逃れてきた隣国ルーマニアの町ハルメウ。そこに一緒にやってきたのは、マーシャというメスのユーラシアヒグマだった。(参考記事:「動物大図鑑:ヒグマ」) マーシャは、バンの荷台に設置されたケージの中で休んでいた。彼女を運んできたのは、ウクライナを拠点とする動物保護団体「ウォリアーズ・オブ・ワイルドライフ」の創立者で代表者のライオネル・デ・ランゲ氏。バンをレンタルし、20時間かけてルーマニアとの国境にたどり着いた。国境を越える車の列に並ぶ間、マーシャに新鮮な空気を吸わせてやろうと、デ・ラ
英スコットランドの海で元気にジャンプするマイルカ。研究者たちは、ネズミイルカのような鳴音を発する単独生活の野生マイルカ「カイリー」を観察した。(PHOTOGRAPH BY SCOTLAND: THE BIG PICTURE, MINDEN PICTURES) 英スコットランド西岸にあるクライド湾という大きな入江には、数千頭のネズミイルカと、「カイリー」と名づけられた1頭のメスのマイルカが暮らしている。 少なくともこの14年間、カイリーが他のマイルカ(Delphinus delphis)と一緒にいる姿は目撃されていない。だが、決してひとりぼっちではない。よく晴れた日にクライド湾の遊歩道を歩いていると、カイリーがネズミイルカ(Phocoena phocoena)たちと一緒に泳ぐ様子を目にすることがある。ネズミイルカは小型のイルカで、カイリーの3分の2ほどの大きさだ。 このほど新たな研究により、
ロシア・モスクワにあるオレク・オルロフ氏宅の扉に落書きされた「Z」の文字と、同氏をウクライナの「協力者」と非難する張り紙。同氏提供(2022年3月28日撮影)。(c)AFP PHOTO / Courtesy of Oleg Orlov 【4月1日 AFP】ロシアの反体制活動家イリヤ・パホモフ(Ilya Pakhomov)氏は今週、首都モスクワのアパートに帰宅すると、玄関の扉に落書きがあり、ウクライナの「協力者」だと非難するステッカーが貼られているのを発見した。 ロシアが2月24日にウクライナ侵攻を開始して以来、国内の反体制派からは、同様の脅迫行為を受けたとの報告が相次いでいる。オレク・オルロフ(Oleg Orlov)氏も自宅玄関に「Z」と落書きされ、自身の写真と共に「協力者」というメッセージを貼り付けられた。 「Z」の文字は、ロシア当局やウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin
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