生活に困って暮らせなくなった時の最後のセーフティネットと言われる生活保護。その基準を引き下げる方向で今、検討が進められています。引き下げによってどんな影響があるのでしょうか。後藤解説委員です。 【岩渕さん】そもそも生活保護というのはどのくらいの人が、どのくらいの生活費を受け取っているのでしょうか? いま、生活保護を受けている人は、全国で214万人。国民のおよそ60人に一人が保護を受けています。生活保護費のうち、食費や光熱費にかかる費用、これを「生活扶助」というんですが、その基準額は、たとえば一人暮らしの高齢者では、東京都区部でおよそ8万円。地方の郡部では6万2千円。夫婦二人と子供一人の世帯ですと、東京都区部ではおよそ17万円、郡部では13万5千円ほどです。 ただ、誰もがこれを全額受け取るというわけではなくて、国が決める最低生活費から、年金や働いて得た収入を差し引いた残りの部分が生活扶