米国ペンシルベニア州ビーバー郡にジョン・チャリスという名の18歳の少年がいる。彼は地元のフリーダム・ハイスクールに通い、野球部に籍を置いている。しかし、この2年ほどの間は一度もプレイしたことがなかった。プレイしたくてもプレイできない事情があった。 観客はわずかに20名ほどしかいなかったが、全員がバッターボックスのジョン君に声援を送った。味方チームのベンチも盛り上がった。それどころか、敵チームのナインも目を輝かせた。 ジョン君の体つきは、とうてい野球をしているとは思えないほど華奢だ。身長は165センチ、体重は42キロしかない。身長はともかく、42キロという体重は軽すぎる。以前は体重が49キロほどあったのだが、この2年で42キロまで落ちた。 ジョン君は2006年の6月に肝臓ガンと診断された。以来、2年近くの間、闘病生活を送ってきた。彼は決して自らの運命を呪うことなく、前向きに病気と闘ってきた。