2021年2月18日、ファイザー製ワクチンの無駄を抑えられるLDS注射器を製造する韓国西部・群山市の医療メーカーを視察する文在寅大統領(右)=ロイター 新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、韓国にある従業員120人の中小企業に突然、スポットライトが当たった。米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを1瓶で6回接種できる特殊な注射器の生産を手がけ、確保が遅れる日本を含めた各国の業者から問い合わせが殺到している。 【写真】ファイザー製ワクチンの無駄を抑えられるLDS注射器(下)と、一般的な注射器。コーヒーで実験すると、一般的な注射器には茶色の液が残っているのが分かる=鈴木拓也撮影 この会社は、韓国中部・公州市にある1987年創業の注射器メーカー「新亜洋行」。昨年の売り上げ約156億ウォン(約15億円)という中小企業が脚光を浴びたのは、米国向けに輸出する「LDS=Low Dead