肩肘張らない自然体のアプローチで、「本をつくる」という営みを問い直す。「出雲路本制作所」を京都で創業した編集者・中井きいこさんに聞く、「自分にとって無理がないこと」を大切にする生き方 「ひとり出版社」「独立系出版社」などと呼ばれ、丁寧に比較的少部数の本をつくる小さな出版社が増えてきている。編集者の中井きいこさんが2022年に立ち上げた出雲路本制作所も、その一つと言えるかもしれない。 ただ、出雲路本制作所は、そのなかでも一風違った価値観で本をつくっているようだ──「出版不況」と言われて久しい業界においても、肩肘張らない、自然体のアプローチで。 同社は本の出版だけでなく、山の木から「紙づくり」を企てたり、「地域×デザイン」をテーマにスクール運営を手がけたりしているという。「いつも判断軸は、自分たちがやっていることに無理がないかどうか」──中井さんの話からは、「腑に落ちる」ことを何よりも大切にす