奈良・東大寺二月堂で3月に行われる修二会(お水取り)。この行事で使われる松明(たいまつ)の材料「荷(か)」を三重県名張市から運ぶ「松明調進」が、3月12日に実施される。これに合わせて近鉄が初めて赤目口駅(名張市)から近鉄奈良駅まで臨時の貸し切り直通列車を運行することを決め、荷を列車に載せて運ぶことになった。近年は徒歩や車で30キロ余りの距離を運んでいて、近鉄電車による輸送は三十数年ぶりになるという。 松明調進は、名張市赤目町一ノ井地区の「伊賀一ノ井松明講」が鎌倉時代から続けると伝わる伝統行事。今年で1273回目となるお水取りを長い間支えてきた。コロナ下の2021~23年は寺側の要望もあり、1カ月遅れの4月に実施してきたため、3月12日の実施は4年ぶり。 荷は、松明講の人たちが地元のヒノキを切り倒して作る。4束(重さ約30キロ)をそれぞれ5本の竹棒にくくりつけて運ぶ。寺側は乾燥後に松明をつく