キエン・ルベの葬儀から三ヶ月が経ち、ルベ家軍の代わりに配備した遠征軍は態勢を整えつつあった。 その頃、俺はミャロから緊急の要件で呼び出された。 「ユーリくん、アルフレッドから親書が届きましたよ」 「向こうからきたか」 「読んでみてください」 黒檀の机の向こうから、ミャロが開封済みの親書を差し出した。宛名は俺になっているが、ミャロは全ての書類を開封する権限を持っているので、なにも問題はない。 俺は羊皮紙の束を受け取ると、応接用のソファに座ってそれを読み始めた。 「……ふーむ」 内容は、会合の申し入れだった。 「大規模な戦いがあったという情報はまだ入ってきていませんが、メリッサさんの言った通り、アンジェリカと教皇領が手を組んだせいで窮地に立たされているのでしょうか」 「どうだろうな。この内容を見るかぎり、こちらの暗殺を狙っているようには見えんが……」 どちらかというと、警備上はこちらが有利な内