今年5月にアルバム「蜃気楼」でメジャーデビューを果たしたギターロックバンド・ピロカルピン。11月14日にリリースされる彼らのメジャー2作目のアルバムは、自主制作時代から大切に温めてきた楽曲5曲と新曲2曲で構成された作品だ。しかも過去曲は現メンバーでアレンジをやり直し、再レコーディングして収録。過去を振り返りつつも、バンドの現在地も感じられるような仕上がりを見せている。全楽曲の作詞・作曲を手がける松木智恵子(Vo, G)に、「まぼろしアンソロジー」の制作秘話や、アルバムを通して使用されている「まぼろし」という言葉に込めた思いを語ってもらった。 取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 八島崇 ──「まぼろしアンソロジー」は、“幻”の存在を軸に既存曲と新曲を合わせたアンソロジー的な作品だと感じました。なぜ今回、こういうアルバムに仕上げたのですか? 「蜃気楼」を出したときから、バンドで「2作目は過去の